【認知症:症状01】
「徘徊」の理由と現場での対応術
認知症の方の「徘徊」には、必ずその方なりの理由や目的があります。否定せず、その方の頭の中にあるストーリーを理解することが、安心への第一歩です。
1. 「徘徊」を引き起こす4つの心理
① 役割・義務感からの行動
「子供が帰ってくるから」「仕事に行かなきゃ」という、かつての習慣や責任感からくるものです。
【対応のヒント】
無理に止めず、「準備ができるまで、ここでお茶でも飲みながら待ちませんか?」と一度受け入れることで、関心を別のことに移しやすくなります。
② 不安・心細さ(見当識障害)
「ここはどこ?」という不安から、安心できる場所(家)を探そうとして歩き出します。
【対応のヒント】
「一緒に散歩しましょうか」と並んで歩き、安心感を与えながら、徐々にリビングなどへ誘導するのが専門的なテクニックです。
③ 身体的な不快感・欲求
「トイレに行きたい」「お腹が空いた」といった感覚を、歩くことで解消しようとしています。
【対応のヒント】
歩き出した瞬間にトイレにお誘いしたり、飲み物を提供したりして、身体的な欲求が満たされるかを確認しましょう。
④ 脳のエネルギー過剰(運動要求)
ただ「動きたい」というエネルギーが余っている状態です。活動量が少ない日などに起こりやすくなります。
【対応のヒント】
歌を歌う、軽い体操、洗濯物畳みなど、「エネルギーを発散できる役割」を日課に取り入れましょう。
2. 絶対に避けるべきNG対応
- 「座って!」と叱る: ストレスからBPSDが悪化します。
- 嘘でごまかし続ける: 不信感を募らせる原因になります。
- 身体拘束・施錠管理: 尊厳を傷つけ、認知症の進行を早めます。
3. 安全を確保する環境設定
- 出口のカムフラージュ: ドアの前に植物を置く、壁と同色のカーテンで出口への意識をそらす。
- 安心して歩ける回遊動線: 行き止まりのない廊下を作り、安全に歩ける環境を整える。
- センサーの活用: 離床センサーで、歩き出した瞬間にそっと寄り添える体制を。
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