介護のリアル: 家族と共に笑い泣きする日々

このブログでは、介護ってこんな感じだよ、って率直にシェアしていくよ!介護って実は誰もが経験することだし、正直、時には大変だったり笑えることだってあるよね。ここでは介護の実情や悩み、そしてちょっとした助けになる情報をみんなで共有していくよ。助け合いながら介護の日々を乗り越えていこうぜ!

MENU

褥瘡の治療法 ラップ療法とは?介護で出来ること

褥瘡は、長時間同じ姿勢で圧迫された部分の血流が悪くなり、皮膚や皮下組織が壊死する病気です。褥瘡は、痛みや感染のリスクだけでなく、生活の質や自尊感情にも影響を与えます。介護で出来ることは、褥瘡の予防と早期発見、医師の指示に従った適切な処置です。褥瘡の治療法の一つにラップ療法がありますが、これは食品用のラップを創傷部に貼り付ける方法です。ラップ療法のメリットや注意点について、この記事で詳しく説明します。

目次

褥瘡の原因と予防

褥瘡の原因は、主に以下の3つです。

  1. 圧力:長時間同じ姿勢で圧迫された部分の血流が悪くなり、組織が酸素や栄養素を得られなくなること。
  2. 摩擦:皮膚がシーツや衣服などにこすれることで、表皮が剥がれたり、炎症を起こしたりすること。
  3. せん断力:皮膚と皮下組織の間に生じる力で、例えばベッドから起き上がるときに、皮膚がベッドに引っ張られること。

褥瘡の予防は、これらの原因をできるだけ減らすことが重要です。具体的には、以下のような方法があります。

  • 体位の変換:2時間ごとに体位を変えることで、圧迫された部分の血流を改善すること。
  • クッションやマットレスの使用:圧力分散や衝撃吸収の効果があるクッションやマットレスを使用することで、圧力や摩擦を軽減すること。
  • 皮膚の保湿と清潔:皮膚が乾燥したり、汚れたりすると、摩擦や感染のリスクが高まるため、適度な保湿と清潔を保つこと。
  • 栄養と水分の補給:創傷治癒に必要なタンパク質やビタミンなどの栄養素と、水分を十分に摂取すること。

褥瘡の診断と進行度分類

褥瘡の診断は、主に視診によって行われます。褥瘡の部位や大きさ、深さ、色、滲出液の量や性状、感染の有無などを観察します。褥瘡の深さによって、以下のように4段階に分類されます。

  1. 第1期:皮膚の発赤や紫斑が見られるが、皮膚の完全な破壊はない。圧力を除去すると、発赤は消えるかもしれない。
  2. 第2期:表皮や真皮の一部が破壊され、水疱やびらん、浅い潰瘍が見られる。創面は赤や桃色で、滲出液が少ない。
  3. 第3期:皮下組織にまで達する潰瘍が見られる。創面は黄色や黒色の壊死組織や肉芽組織で覆われ、滲出液が多い。筋肉や骨は露出しない。
  4. 第4期:筋肉や骨にまで達する潰瘍が見られる。創面は壊死組織や肉芽組織で覆われ、滲出液が多い。筋肉や骨の露出や感染が見られることが多い。

褥瘡の進行度分類は、治療方針や予後の判断に役立ちます。褥瘡の進行度は、時間とともに変化することがありますので、定期的に観察し、記録することが重要です。

褥瘡の治療法 ラップ療法とは?

褥瘡の治療法は、医師の指示に従って行われます。一般的には、以下のような治療法があります。

  • 外用薬:創面に塗る薬で、感染や炎症を抑えたり、創面の保湿潤したりする効果がある。
  • 創傷被覆材:創面に貼る材料で、創面の保護や保湿、感染予防などの効果がある。
  • 創傷清掃:創面に付着した壊死組織や滲出液、細菌などを除去することで、創傷治癒を促進する。
  • 手術:壊死組織や感染部位の切除や、皮膚移植などの手術を行うことで、創面の修復を行う。

ラップ療法は、創傷被覆材の一種として、食品用のラップを創傷部に貼り付ける方法です。ラップ療法は、日本では1990年代から行われており、現在では多くの医療機関や介護施設で採用されています。ラップ療法は、褥瘡の第2期から第4期までの患者に適用できますが、医師の判断によります。

ラップ療法のメリットとデメリット

ラップ療法のメリットは、以下のようなものがあります。

  • 安価:食品用のラップは、市販されている創傷被覆材に比べて、非常に安価で入手しやすい。
  • 簡単:ラップを創傷部に貼り付けるだけで、創傷被覆材としての役割を果たす。
  • 保湿:ラップは、創面の水分を逃がさず、創面を湿潤に保つことができる。湿潤環境は、創傷治癒に有利であるとされる。
  • 透明:ラップは、創面の状態を見ることができる。これにより、創面の変化や感染の有無を確認しやすくなる。
  • 通気性:ラップは、水分は通さないが、空気は通す。これにより、創面に適度な酸素を供給し、創傷治癒を促進する。
  • 痛みの軽減:ラップは、創面に密着せず、創面とラップの間に空気の層ができる。これにより、創面の刺激や摩擦を減らし、痛みを軽減する。

ラップ療法のデメリットは、以下のようなものがあります。

  • 感染のリスク:ラップは、滲出液や細菌を完全に遮断できない。また、ラップの交換時に、創面に細菌が付着する可能性がある。これにより、感染のリスクが高まる。
  • 創面の乾燥:ラップは、創面の水分を逃がさないが、水分の蒸発も防げない。また、ラップの交換時に、創面に付着したラップを剥がすと、創面の水分も一緒に剥がれることがある。これにより、創面が乾燥し、創傷治癒が遅れる。
  • 創面の刺激:ラップは、創面に密着せず、創面とラップの間に空気の層ができるが、これが逆に創面を冷やすことがある。また、ラップの端が創面にこすれることで、創面を刺激することがある。
  • 創面の観察:ラップは、創面の状態を見ることができるが、滲出液や壊死組織などがラップに付着すると、創面の観察が困難になることがある。

ラップ療法の注意点と交換方法

ラップ療法を行う際には、以下のような注意点があります。

  • 医師の指示に従う:ラップ療法は、医師の指示に従って行わなければならない。医師は、創傷の状態や感染の有無などに応じて、ラップ療法の適否や交換頻度などを決める。
  • 清潔にする:ラップ療法は、感染のリスクが高いため、清潔にすることが重要である。ラップ療法を行う前には、手洗いや消毒を行う。ラップは、清潔な場所で切り取り、創傷部に貼り付ける。ラップの交換時には、創傷清掃を行う。
  • 適切な大きさにする:ラップは、創傷部にぴったりと貼り付けるために、適切な大きさに切り取る。ラップは、創傷部よりも少し大きめに切り取り、創傷部の周囲に2~3cmの余裕を持たせる。ラップが創傷部からはみ出すと、創傷部を保護できない。
  • しっかりと固定する:ラップは、創傷部に貼り付けた後に、しっかりと固定する。ラップは、テープや包帯などで固定する。ラップがずれたり、剥がれたりすると、創傷部を保護できない。
  • 創傷部の変化に注意する:ラップ療法を行っている間に、創傷部の変化に注意する。創傷部の色や臭い、滲出液の量や性状、痛みや熱感などが変化した場合は、感染や悪化の可能性がある。その場合は、医師に相談する。

ラップ療法の交換方法は、以下のように行う。

  1. 手洗いや消毒を行う。
  2. 古いラップを剥がす。剥がすときには、創傷部に付着したラップを剥がさないように注意する。
  3. 創傷清掃を行う。創傷部に付着した壊死組織や滲出液、細菌などを除去するために、消毒液や生理食塩水などで創傷部を洗浄する。
  4. 新しいラップを切り取る。創傷部よりも少し大きめに切り取り、創傷部の周囲に2~3cmの余裕を持たせる。
  5. 新しいラップを貼り付ける。創傷部にぴったりと貼り付けるように、ラップの端を創傷部の周囲に折り込む。
  6. ラップを固定する。テープや包帯などでラップをしっかりと固定する。
  7. 手洗いや消毒を行う。

まとめ

褥瘡は、長時間同じ姿勢で圧迫された部分の血流が悪くなり、皮膚や皮下組織が壊死する病気です。介護で出来ることは、褥瘡の予防と早期発見、医師の指示に従った適切な処置です。褥瘡の治療法の一つにラップ療法がありますが、これは食品用のラップを創傷部に貼り付ける方法です。ラップ療法は、安価で簡単に行える創傷被覆材ですが、感染や乾燥などのリスクもあります。ラップ療法を行う際には、医師の指示に従い、清潔にし、適切な大きさにし、しっかりと固定し、創傷部の変化に注意することが重要です。