介護のリアル: 家族と共に笑い泣きする日々

このブログでは、介護ってこんな感じだよ、って率直にシェアしていくよ!介護って実は誰もが経験することだし、正直、時には大変だったり笑えることだってあるよね。ここでは介護の実情や悩み、そしてちょっとした助けになる情報をみんなで共有していくよ。助け合いながら介護の日々を乗り越えていこうぜ!

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エンゼルケアとは? 処置の手順や目的、看護師・介護職員に求められること

エンゼルケアとは、亡くなった方の身体を清潔にし、化粧や更衣で見た目を整える処置のことです。病院や介護施設で行われるエンゼルケアの目的や手順、必要な物品、注意点などを紹介します。エンゼルケアは、故人の尊厳を守るとともに、遺族の心のケアや感染予防にも役立ちます。エンゼルケアを行う際には、家族の意向を尊重し、素早く丁寧に行うことが大切です。

エンゼルケアの目的

エンゼルケアの目的は、以下の3つがあります。

  • 患者の尊厳を守る
    闘病の末に病院で亡くなる患者には、点滴やドレーンなどが挿入されています。長い間入浴できなかったなどの事情で、身体や着衣が汚れていることもあります。人生最期にそのような姿で旅立たなくてはいけないのは、人間としての尊厳を守ることができません。人生の最期をその人らしくいられるように、看護師はエンゼルケアをして、生前のその人らしい容姿に整えることで、故人の尊厳を守ることができるのです。
  • 家族の心のケア
    闘病生活が長い人は頬がこけていたり、黄疸が出ているなど、入院前とは違う容貌になっています。そのような姿のを見るのは、家族にとってはとても辛いことであり、家族にとっての患者の最後の姿の思い出が、入院前とはかけ離れた外見だった場合、死をなかなか受け入れることができません。そのため、看護師はエンゼルケアによって、その人らしい外見に整えることで、家族の心のケアをすることができるのです。また、家族と一緒に清拭をする、着替えをするなどエンゼルケアを家族と一緒にすることで、家族が「最後に自分たちでケアをしてあげられた」と患者の死を受け入れるきっかけとなり、グリーフケアにもつながるのです。
  • 感染予防
    入院していた患者は鼻腔や口腔、挿入物が入っていた部位などからの体液や血液が漏出して、家族や葬儀業者に付着し、感染させる可能性があります。看護師はスタンダードプリコーションに基づいて、感染を防ぐためにエンゼルケアをしなければいけません。

エンゼルケアの手順

エンゼルケアの手順は、病院や施設によって異なりますが、一般的には以下のような流れになります。

  1. 死亡確認後、家族との時間を作る
    医師によって死亡確認が行われたら、すぐにエンゼルケアを始めるわけではありません。家族と患者だけで過ごすお別れの時間を作ります。この時に人工呼吸器など外れる医療機器は外し、点滴の滴下は止めましょう。また、お別れの時間は10~15分を目安にして、退室時は「15分くらいしたら、また参ります。ナースステーションにおりますので、何かありましたら声をかけてください。」と一言添えておきましょう。この間に、看護師はエンゼルケアのための必要物品やエンゼルケアを行うための個室を用意しておきます。
  2. 挿入物の抜去
    お別れの時間の後は、家族にいったん退室してもらって、エンゼルケアを始めます。まずは、挿入物を抜去しましょう。点滴を抜去した後は、ガーゼ等でしっかり圧迫固定をしましょう。必要であれば、ドレッシング材を貼付します。褥創などの創傷がある場合は、新しいドレッシング材に交換しておきましょう。また、胸腔ドレーンや気管切開のカニューレは、医師に抜去してもらい、挿入部はナートしてもらってください。
  3. 排泄物の処理
    腹部を圧迫して、尿や便を出します。胃の内容物がある場合には、側臥位にして、胃を圧迫し、内容物を吐かせましょう。口腔内や鼻腔内を吸引しておいてください。
  4. 口腔ケア
    口腔は臭気が出やすく、死後硬直前になると開口しやすいので、早めに口腔ケアを行いましょう。歯ブラシやガーゼ、スポンジ等を使って、手早く口腔内を清拭します。歯がある場合は、歯磨き粉をつけて歯を磨きます。歯がない場合は、歯茎をマッサージします。口腔ケアが終わったら、口を閉じて、口角を上げるようにテープで固定します。
  5. 清拭
    清拭は、患者の身体を清潔にするために行います。清拭の際には、以下の点に注意しましょう。
    • 清拭は、頭から足の方へと順番に行います。
    • 清拭には、温かい湿布やタオル、石鹸、ベビーオイルなどを使います。
    • 清拭する部位は、一度に広く拭かずに、小さく分けて拭きます。
    • 清拭する部位は、拭いたらすぐに乾いたタオルで拭き取ります。
    • 清拭する部位は、拭き終わったらすぐに布で覆います。
    • 清拭する部位は、拭き終わったらすぐにマッサージをして血行を促進します。
    • 清拭する部位は、拭き終わったらすぐに関節を動かして可動域を確保します。
    • 清拭する部位は、拭き終わったらすぐに皮膚の状態を確認し、異常がないかチェックします。
  6. 更衣
    更衣は、患者の見た目を整えるために行います。更衣の際には、以下の点に注意しましょう。
    • 更衣には、家族が持ってきた衣服や、病院や施設が用意した衣服を使います。
    • 更衣には、患者の好みや季節に合った衣服を選びます。
    • 更衣には、着せやすいように衣服の前後や左右を確認し、ボタンやファスナーを外しておきます。
    • 更衣には、患者の身体を動かすときは、優しくゆっくりと動かし、痛めないように気を付けます。
    • 更衣には、患者の身体に合わせて衣服のサイズや長さを調整します。
    • 更衣には、患者の首や腕や足にアクセサリーや装飾品をつけることもできます。
  7. 化粧
    化粧は、患者の顔色や表情を明るくするために行います。化粧の際には、以下の点に注意しましょう。
    • 化粧には、家族が持ってきた化粧品や、病院や施設が用意した化粧品を使います。
    • 化粧には、患者の好みや肌色に合った化粧品を選びます。
    • 化粧には、患者の顔を清拭してから、化粧水や乳液などで保湿します。
    • 化粧には、患者の目や眉や口などのパーツに合わせて、アイシャドウやアイライナー、マスカラ、アイブロウ、リップなどを塗ります。
    • 化粧には、患者の頬には、チークやハイライトなどで血色を良くします。
    • 化粧には、患者の髪の毛には、ブラシやコームでとかし、ヘアスプレーやヘアワックスなどでセットします。
  8. 家族に見せる
    エンゼルケアが終わったら、家族に患者の姿を見せます。この時には、以下の点に注意しましょう。
    • 家族に見せる前には、患者の姿を整えて、ベッドや枕を調整します。
    • 家族に見せる前には、患者の身体を布で覆って、顔だけを見せるようにします。
    • 家族に見せる前には、患者の顔には、笑顔を作るようにテープで固定します。
    • 家族に見せる前には、患者の手には、花や写真や手紙などの思い出の品を持たせることもできます。
    • 家族に見せるときには、患者の姿をゆっくりと見せて、家族の反応を見ながら、声をかけてあげます。
    • 家族に見せた後には、家族が患者に触れたり、話しかけたり、抱きしめたりすることを許してあげます。
    • 家族に見せた後には、家族が患者との別れを受け入れることができるように、看護師は家族の心のケアを続けてあげます。

エンゼルケアに必要な物品

エンゼルケアに必要な物品は、病院や施設によって異なりますが、一般的には以下のようなものがあります。

  • 清拭用のタオルや湿布、石鹸、ベビーオイルなど
  • 更衣用の衣服や下着、靴下など
  • 化粧用の化粧品やブラシ、コーム、ヘアスプレーなど
  • 口腔ケア用の歯ブラシや歯磨き粉、ガーゼ、スポンジなど
  • 挿入物抜去用のガーゼやドレッシング材、テープなど
  • 感染予防用の手袋やマスク、ゴーグルなど
  • 家族に見せる用の布や花、写真、手紙など

エンゼルケアにおける看護師・介護職員に求められること

エンゼルケアにおいて、看護師や介護職員に求められることは、以下のようなことがあります。

  • 家族の意向を尊重する
    エンゼルケアは、家族の意向を尊重することが重要です。家族がエンゼルケアに参加したいかどうか、どのような衣服や化粧品を使いたいか、どのような思い出の品を持たせたいかなど、家族の希望を聞いて、できる限り叶えてあげましょう。家族の意向を尊重することで、家族は故人との最期の時間を大切に過ごすことができます。

    まとめ

    エンゼルケアとは、亡くなった方の身体を清潔にし、化粧や更衣で見た目を整える処置のことで、故人の尊厳を守り、家族の心のケアや感染予防にも役立ちます。エンゼルケアを行う際には、死亡確認後に家族との時間を作り、挿入物の抜去、排泄物の処理、口腔ケア、清拭、更衣、化粧などの手順を踏みます。エンゼルケアに必要な物品は、清拭用や更衣用、化粧用、口腔ケア用、挿入物抜去用、感染予防用、家族に見せる用などがあります。エンゼルケアにおける看護師や介護職員に求められることは、家族の意向を尊重することです。