介護の請求とは、介護サービス事業者が利用者や国に対して、提供したサービスの費用を請求することです。介護の請求には、利用者の自己負担分と国の公費負担分があります。自己負担分は、利用者が直接事業者に支払うか、または事業者が国保連から受け取るかのいずれかです。公費負担分は、事業者が国保連に請求し、支払いを受けます。
しかし、介護の請求には、禁止されていることや注意すべきことがあります。例えば、利用者に負担できないものや、施設が負担しなければならないものを請求することはできません。また、請求できる期間や方法も決められています。ここでは、介護の請求について、禁止されていることや施設負担のものと家族に請求できるものについて、詳しく解説します。
利用者に負担できないもの
利用者に負担できないものとは、介護保険給付の対象となるサービスと重複しているものや、サービス提供と関係のないものです。具体的には、以下のようなものが該当します。
- 車いすや介護用品、栄養補助剤、水分補給に用いられる経口液など、サービス提供に必要なものや、利用者の状態に応じたケアマネジメントにより必要と判断されたもの
- 施設の行事計画に位置づけられている旅行などの代金
- 入院に伴う経費負担や施設の協力医療機関への手続きなどの経費
- あいまいな名目で請求される費用(お世話料、管理協力費、共益費、施設利用補償金など)
これらの費用は、施設が用意し、提供しなければならず、利用者から徴収することはできません。もし、これらの費用を請求してしまった場合は、返還指導を受ける可能性があります。
施設負担のものと家族に請求できるもの
施設負担のものとは、介護保険給付の対象外の費用で、サービス提供と関係のあるものです。具体的には、以下のようなものが該当します。
- 食費や居住費などの生活費
- 入所者が選定する特別な居室や食事の提供費用
- 理美容代や健康管理費などの日常生活費
- 利用者や家族の希望に応じて提供する身の回り品や教養娯楽などの費用
これらの費用は、利用者の自己負担を求めることができますが、事前に十分な説明を行い、同意を得ておく必要があります。また、運営規程で内容と額を定めておき、施設の見やすい場所に掲示することが必要です。
家族に請求できるものとは、介護保険給付の対象外の費用で、サービス提供と関係のないものです。具体的には、以下のようなものが該当します。
- 利用者の個人の趣味品や贅沢品などの費用
- 利用者の個人専用の家電製品の電気代やコインランドリー利用料などの費用
- 利用者に代わって施設が購入する新聞や雑誌などの代金
- 利用者個人の趣味活動などに施設が提供する材料費
- 利用者や家族の希望に応じて施設が代わりに日用品を立て替え払いで購入し、利用者から徴収するその分の実費
これらの費用は、利用者や家族の自由な選択に基づくもので、施設が一律に提供し、徴収することはできません。また、利用者や家族の希望を確認し、記録に残しておくことが必要です。
以上が、介護の請求について、禁止されていることや施設負担のものと家族に請求できるものについての解説でした。介護の請求は、事業者と利用者の信頼関係にも影響しますので、正しく理解しておくことが大切です。
家族負担できるものの例
- 利用者の個人の趣味品や贅沢品などの費用
- 利用者の個人専用の家電製品の電気代やコインランドリー利用料などの費用
- 利用者に代わって施設が購入する新聞や雑誌などの代金
- 利用者個人の趣味活動などに施設が提供する材料費
- 利用者や家族の希望に応じて施設が代わりに日用品を立て替え払いで購入し、利用者から徴収するその分の実費
施設負担じゃないと駄目なものの例
- 車いすや介護用品、栄養補助剤、水分補給に用いられる経口液など、サービス提供に必要なものや、利用者の状態に応じたケアマネジメントにより必要と判断されたもの
- 施設の行事計画に位置づけられている旅行などの代金
- 入院に伴う経費負担や施設の協力医療機関への手続きなどの経費
- あいまいな名目で請求される費用(お世話料、管理協力費、共益費、施設利用補償金など)
ポイントを表にまとめる
項目 | 内容 |
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利用者に負担できないもの | 介護保険給付の対象となるサービスと重複しているものや、サービス提供と関係のないもの。施設が用意し、提供しなければならないもの。 |
施設負担のもの | 介護保険給付の対象外の費用で、サービス提供と関係のあるもの。利用者の自己負担を求めることができるが、事前に説明し、同意を得る必要がある。運営規程で内容と額を定め、掲示することが必要。 |
家族に請求できるもの | 介護保険給付の対象外の費用で、サービス提供と関係のないもの。利用者や家族の自由な選択に基づくもので、施設が一律に提供し、徴収することはできない。利用者や家族の希望を確認し、記録に残すことが必要。 |