2023年6月16日、日経平均株価が3万3,700円を超え、バブル期に相当する高値圏に達しました。これは1990年3月以来となる、約33年ぶりの高値です。日経平均の最高値は、1989年12月29日につけた3万8,915円87銭ですが、この記録を更新する日は来るのでしょうか?
この記事では、日経平均の最高値と最安値の歴史を振り返り、株価の変動要因や今後の見通しについて解説します。
日経平均の最高値と最安値の歴史
日経平均株価は、東京証券取引所プライム市場に上場する約2,000銘柄の株式のうち、取引が活発で流動性の高い225銘柄を、日本経済新聞社が選定し算出する株価指数です。1950年9月7日に算出を開始し、現在までに数々の栄枯盛衰を経験してきました。
日経平均の最高値は、1989年12月29日に記録した3万8,915円87銭です。この日は、バブル景気の絶頂期であり、低金利や過剰な貸出によって株式や不動産などの資産価格が高騰していました。しかし、その後の金融引き締めや消費税導入などによってバブルは崩壊し、日経平均は急落しました。
日経平均の最安値は、2003年4月28日につけた7,607円88銭です。この日は、バブル崩壊後の不況や金融不安、アジア通貨危機やITバブルの崩壊などの影響を受けて、日経平均は約20年ぶりの安値を更新しました。しかし、この日を底に、日経平均は回復基調に入りました。
株価の変動要因は何か?
株価は、多くの要因が織り込まれて決まりますが、特に重要なのは「会社の業績」と「将来性」です。会社の業績が好調であれば、配当の増加や株主還元の拡大が期待できるため、株価は上昇しやすくなります。逆に、業績が悪化すれば、配当の減少や株主還元の縮小が懸念されるため、株価は下落しやすくなります。
また、会社の将来性も株価に影響を与えます。将来性が高いと判断されれば、成長や利益の拡大が見込めるため、株価は上昇しやすくなります。逆に、将来性が低いと判断されれば、成長や利益の停滞が予想されるため、株価は下落しやすくなります。
会社の業績や将来性は、社会や経済の状況にも左右されます。景気が良ければ、消費や投資が活発になり、会社の収益は増えやすくなります。逆に、景気が悪ければ、消費や投資が冷え込み、会社の収益は減る可能性が高まります。金利や為替レートの変動も、会社の資金調達や輸出入に影響を与えます。
日経平均の今後の見通しは?
日経平均は、2023年6月に33年ぶりの高値をつけましたが、その後は3万円台を上下するもみ合い相場が続いています。日経平均の今後の見通しは、以下のような要因によって左右されると考えられます。
- コロナ禍からの経済再開の進展:新型コロナウイルスの感染拡大による行動制限や経済活動の停滞が株式市場にも大きな影響を与えています。ワクチン接種の進捗や感染状況によって、経済再開のペースや景気回復の見通しが変わります。経済再開が順調に進めば、株価は上昇しやすくなりますが、逆に感染が再拡大すれば、株価は下落しやすくなります。
- 企業の業績回復の度合い:コロナ禍で打撃を受けた多くの企業が、業績回復に向けて努力しています。2023年3月期の決算発表では、コロナ禍前の水準に回復した企業も多く見られました。今後も、企業の業績や配当の動向が株価に影響を与えます。業績回復が順調に進めば、株価は上昇しやすくなりますが、逆に業績が悪化すれば、株価は下落しやすくなります。
- 海外市場や海外投資家の動向:日本株は、海外市場や海外投資家の動向にも大きく影響を受けます。特に米国の金融政策や経済指標、中国の経済成長や政治情勢などが注目されます。海外市場が好調であれば、日本株にも追い風となりますが、逆に海外市場が不安定であれば、日本株にも圧力となります。また、海外投資家の買いや売りの動きも、日本株の需給バランスに影響を与えます。
以上のように日経平均は、バブル期の最高値に迫る高値圏にありますが、その先にはさまざまな不確定要素があります。コロナ禍からの経済再開の進展や企業の業績回復の度合い、海外市場や海外投資家の動向などが、日経平均の上昇か下落かを左右すると考えられます。日経平均の最高値更新は、まだまだ遠い夢というよりは、現実味のある目標と言えるでしょうか?投資家は、日経平均の動きに一喜一憂するのではなく、個別の銘柄の業績や将来性に注目して、長期的な視点で株式投資を行うことが大切です。