新型コロナウイルスの感染拡大が世界的な問題となっていますが、コロナウイルスにはさまざまな種類があります。それぞれにどのような特徴や影響があるのでしょうか?この記事では、コロナウイルスの種類と特徴をわかりやすく解説します。
コロナウイルスとは
コロナウイルスとは、冠状に突起があることから名付けられたウイルスの総称です。コロナウイルスには、ヒトや動物に感染するさまざまな種類があります。コロナウイルスは、RNAウイルスと呼ばれるタイプのウイルスで、変異しやすいという特徴があります。コロナウイルスは、主に呼吸器系に感染し、風邪や肺炎などの症状を引き起こします。重症化すると、呼吸困難や多臓器不全などの合併症を起こすこともあります。
コロナウイルスの種類
コロナウイルスには、アルファ、ベータ、ガンマ、デルタの4つの属に分類される約40種類が知られていますが、ヒトに感染することが確認されているのは7種類です。それぞれにどのような特徴や影響があるのでしょうか?以下に紹介します。
オミクロン型
オミクロン型は、2021年11月に南アフリカで発見された新型コロナウイルスの変異株です。スパイクタンパク質に約50カ所の変異があり、感染力が高いと考えられています。オミクロン型は、すでに世界100カ国以上に広がっており、日本でも12月22日に大阪で市中感染が確認されました。オミクロン型は、ワクチンの効果を低下させる可能性がありますが、重症化リスクは低いという見方が強まっていす。WHOは、オミクロン型を「懸念される変異株(VOC)」に指定しています
デルタ型
デルタ型は、2020年10月にインドで発見された新型コロナウイルスの変異株です。スパイクタンパク質に「L452R」という変異があり、感染力が高いとされています。デルタ型は、2021年5月ごろから一気に流行し、世界の新規感染の9割超に達しました。日本国内でもほぼ100%置き換わっています。デルタ型は、入院リスクや死亡リスクが高まるという研究結果もあります。ワクチンの効果は、時間の経過とともに低下するという報告もあります。WHOは、デルタ型を「懸念される変異株(VOC)」に指定しています。
アルファ型
アルファ型は、2020年9月にイギリスで発見された新型コロナウイルスの変異株です。スパイクタンパク質に「N501Y」という変異があり、感染力が高まるとされています。アルファ型は、死亡率や入院リスクも増えるという報告があります。ワクチンの効果は、ほぼ変わらないという見方があります。WHOは、アルファ型を「懸念される変異株(VOC)」に指定しています。
ベータ型
ベータ型は、2020年5月に南アフリカで発見された新型コロナウイルスの変異株です。スパイクタンパク質に「N501Y」と「E484K」という変異があり、感染力が高く、免疫から逃れやすいとされています。ベータ型は、死亡率や入院リスクも増えるという報告があります。ワクチンの効果は、低下するという見方があります。WHOは、ベータ型を「懸念される変異株(VOC)」に指定しています。
ガンマ型
ガンマ型は、2020年11月にブラジルで発見された新型コロナウイルスの変異株です。スパイクタンパク質に「N501Y」と「E484K」という変異があり、感染力が高く、免疫から逃れやすいとされています。ガンマ型は、死亡率や入院リスクも増えるという報告があります。ワクチンの効果は、低下するという見方があります。WHOは、ガンマ型を「懸念される変異株(VOC)」に指定しています。
その他のコロナウイルス
その他にも、ヒトに感染することが確認されているコロナウイルスの種類は以下の通りです。
- イプシロン型:2020年に米国で発見された変異株。WHOは「監視が必要な変異株」に指定しています[^6^][6]。
- ゼータ型:2020年にブラジルで発見された変異株。WHOは「監視が必要な変異株」に指定しています[^7^][7]。
- イータ型:2020年12月に英国などで発見された変異株。WHOは「監視が必要な変異株」に指定しています。
- シータ型:2020年にフィリピンで発見された変異株。WHOは「監視が必要な変異株」に指定しています。
イオタ型
イオタ型は、2020年11月にアメリカのニューヨークで最初に検出された新型コロナウイルスの変異株です。スパイクタンパク質に「N501Y」と「E484K」という変異があり、感染力が高く、免疫から逃れやすいとされています。イオタ型は、死亡率や入院リスクも増えるという報告があります。ワクチンの効果は、低下するという見方があります。WHOは、イオタ型を「注目すべき変異株(VOI)」に指定していましたが、2021年9月にVOIから除外されました[^1^][1]。2021年4月11日時点で、少なくともアメリカ48の州と18ヶ国で検出されています[^2^][2]。
まとめ
コロナウイルスには、さまざまな種類があり、それぞれに特徴や影響があります。WHOは、感染力や重症度、ワクチンの効果などに応じて、変異株を「懸念される変異株(VOC)」や「注目すべき変異株(VOI)」に分類しています。現在、最も流行しているのは、オミクロン型とデルタ型です。オミクロン型は、約50カ所の変異があり、感染力が高いと考えられていますが、重症化リスクは低いという見方が強まっています。デルタ型は、感染力が高く、入院リスクや死亡リスクが高まるという研究結果もあります。ワクチンの効果は、時間の経過とともに低下するという報告もあります。コロナウイルスの種類と特徴を知ることは、感染対策や予防に役立つと思います。この記事が参考になれば幸いです。
参考文献
- [^1^][1] WHO, “Tracking SARS-CoV-2 variants”, [1](https://ja.wikipedia.org/wiki/SARS%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B92-%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%82%BF%E6%A0%AA)
- [^2^][2] 厚生労働省, “新型コロナウイルス感染症の世界の状況報告”, [2](https://www.forth.go.jp/topics/20210611.html)