介護の仕事とは、高齢者や障害者などの日常生活を支えるために必要なサービスを提供することです。介護の仕事には、食事や入浴、排泄などの身体介助や、レクリエーションや会話などの生活支援があります。介護の仕事をするには、利用者さんの状態やニーズに応じて、適切な介護技術を身に付ける必要があります。
介護技術とは？
介護技術とは、介護者と利用者さんの双方が、負担なく過ごすために必要な技術のことです。介護技術においてはスピードや効率ではなく、利用者さんがより安全に、より自然に動けるようにすることを重視します。介護技術の一つに、最小限の力で効果を引き出す「ボディメカニクス」があります。ボディメカニクスでは、身体機能の力学的原理を活用するため、無理のない姿勢での動作が可能となり、介護者の悩みである腰痛の防止にもつながります。ただし、介護技術を駆使して介護職員が何から何まで支援してしまうと、利用者さんがもっている能力の維持・向上にはつながりません。介護施設には認知症高齢者や身体障害者など、さまざまな方が滞在しており、手助けしたくなる場面は少なくありませんが、利用者さんの自立を促すために時には見守ることも大切です。
介護技術の基本
介護技術の基本となるポイントを以下に紹介します。
- 安全第一：利用者さんの体に触れるときは優しく触れ、転倒や誤嚥などの事故を防ぎます。
- 利用者さんの状態を把握しておく：利用者さんの病気や障害、身体機能や認知機能の状態を確認し、それぞれに合った介助を行います。
- 介護の前に必ず説明し同意を得る：利用者さんに介護の内容や手順を分かりやすく説明し、同意を得た上で介助を行います。
- 環境を整備する：介助をする際に危険となるものは全て取り除き、必要な物品は適切な位置に配置します。
- 苦痛や恐怖心を与えない：利用者さんに無理な動作をさせたり、急に動かしたりしないようにします。
- 羞恥心に配慮する：清拭や排泄介助などの際は、必要な部分以外の露出は避け、プライバシーを守ります。
- 自分の体も守る：ボディメカニクスを活用して、腰や肩などの負担を軽減します。
- 利用者さんのタイミングを考える：介護士の都合だけでなく、利用者さんの体調や気分に合わせて介助を行います。
- 利用者さんのできることは伸ばす：利用者さんができることはやってもらい、身体機能と認知機能の維持・向上に努めます。
介護技術の向上のために
介護技術を向上させるためには、以下のような方法があります。
- 勉強会やセミナーなどに参加する：介護の最新情報や実践的なノウハウを学ぶことができます。
- コミュニケーション能力を磨く：利用者さんや家族、同僚などと円滑にコミュニケーションをとることで、介護の質を高めることができます。
- 資格を取得する：介護福祉士や介護支援専門員などの資格を取得することで、介護の知識や技術を深めることができます。
介護の仕事に向いている人とは？
介護の仕事に向いている人とは、どのような人でしょうか？介護の仕事には、以下のような特徴やスキルが求められます。
- 利用者さんや家族の気持ちに寄り添える人：介護の仕事は、利用者さんや家族の心のケアも重要な役割です。利用者さんや家族の気持ちに寄り添い、共感や励ましを与えられる人が向いています。
- チームワークができる人：介護の仕事は、一人で行うのではなく、他の介護職員や医療職員などと協力して行うことが多いです。チームワークができる人が向いています。
- 柔軟性がある人：介護の仕事は、利用者さんの状態やニーズに応じて、常に変化することがあります。柔軟性があって、臨機応変に対応できる人が向いています。
- 自己管理ができる人：介護の仕事は、精神的にも肉体的にも負担が大きいことがあります。自己管理ができて、ストレスや疲労を適切に解消できる人が向いています。
- 学び続ける意欲がある人：介護の仕事は、介護の知識や技術を常に更新していく必要があります。学び続ける意欲があって、自己研鑽を怠らない人が向いています。
以上のような特徴やスキルを持っている人は、介護の仕事に向いていると言えるでしょう。もちろん、これらの特徴やスキルは、経験や努力によって身に付けることができます。介護の仕事に興味がある人は、まずは実際に現場を見学したり、体験したりすることがおすすめです。介護の仕事のやりがいや魅力を感じることができれば、介護の仕事に向いていると言えるかもしれません。
まとめ
この記事では、介護の仕事内容と介護技術について紹介しました。介護の仕事は、利用者さんの日常生活を支えるために必要なサービスを提供することです。介護の仕事をするには、利用者さんの状態やニーズに応じて、適切な介護技術を身に付ける必要があります。介護技術の基本は、安全第一、利用者さんの状態を把握しておく、介護の前に必ず説明し同意を得る、環境を整備する、苦痛や恐怖心を与えない、羞恥心に配慮する、自分の体も守る、利用者さんのタイミングを考える、利用者さんのできることは伸ばすといったポイントです。介護技術を向上させるためには、勉強会やセミナーなどに参加したり、コミュニケーション能力を磨いたり、資格を取得したりすることが有効です。介護の仕事はやりがいのある仕事ですが、同時に大変な仕事でもあります。介護技術を身に付けることで、利用者さんと自分自身のためになる介護を目指しましょう。
