介護現場におけるICTの活用は、人材不足やケア品質の向上などの課題に対応するために重要な取り組みです。この記事では、介護現場でのICTの導入事例とそのメリットを紹介します。
介護現場でのICT化が加速している背景
介護現場では、高齢化や少子化による人材不足や、利用者のニーズの多様化や高度化によるケア品質の低下などの課題が深刻化しています。また、2025年には団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となり、介護人材の不足がさらに拡大すると予測されています。
こうした状況に対応するために、介護現場ではICT(情報通信技術)の活用が進められています。ICTとは、インターネットやコンピューターなどの技術を用いて情報を収集・処理・伝達することを指します。ICTを介護現場に導入することで、以下のようなメリットが期待できます。
- 記録や請求などの事務作業の効率化やペーパーレス化
- 見守りや介助などの介護作業の負担軽減や品質向上
- スタッフや利用者、家族などの情報共有の円滑化やコミュニケーションの向上
- 勤務シフトや教育などの人事管理の最適化や公平化
ICTの活用は、介護現場の業務効率化やサービス向上に貢献するだけでなく、スタッフのモチベーションや離職率の改善にも繋がります。また、ICTの技術は日々進化しており、今後もさまざまな可能性が広がっていくと考えられます。
介護現場のICT導入事例
それでは、具体的にどのようなICTが介護現場で活用されているのでしょうか。ここでは、小規模から大規模まで、さまざまなICT導入事例を紹介します。
事例1:チャットツールを用いた情報共有によるICT化
事業内容:訪問介護・訪問入浴・通所サービス運営、小規模
導入したICT:チャットツール
製品名:ChatWork
導入効果:
- 電話連絡では、利用者の情報が他のスタッフに正確に伝わっているか不安だったが、チャットの文面でやり取りできることで情報が正確に伝わり、サービス責任者とスタッフのストレスが減った
- サービスに集中できる環境が整い、離職防止や採用コストの低減に繋がった
- 1日あたり約2時間半あった電話時間が70分に半減し、サービス責任者の業務効率化に繋がった
参照URL:[ChatWorkの導入事例](
【事例あり】介護現場におけるICT導入の活用事例・メリットを解説 - HitomeQ ケアサポート | コニカミノルタ
事例2:記録作業のクラウド化・リアルタイムな情報共有によるICT化
事業内容:特別養護老人ホーム、中規模
導入したICT:ケア記録
製品名:ちょうじゅ (ケアカルテ)
導入効果:
- 従来の業務が効率化できただけでなく、現場発信で書類削減の意欲も出てきて、手書きの記録はかなり削減できた
- 外国人職員も定型文の入力やタブレットでの記録入力が簡単にできるようになった
参照URL:[ちょうじゅの導入事例]
事例3:勤務シフト自動作成システム導入による作成時間の短縮
事業内容:特別養護老人ホーム、中規模
導入したICT:介護記録システム
製品名:勤務シフト作成お助けマン
導入効果:
- 最小の労力で公開的な勤務シフトの作成が容易になり、作業時間が大幅に短縮できた
- システム導入により、客観的で公平なシフトが誰でも作成できるため、業務の引継ぎが容易になった
参照URL:[勤務シフト作成お助けマンの導入事例]
介護の現場におけるICTの導入事例とは?今後の課題もご紹介 | LinkJapan BLOG
事例4:グループ通話機能を活用したインカムによる情報共有のICT化
事業内容:特別養護老人ホーム、障がい者支援施設、中規模
導入したICT:インカム
製品名:LINE WORKS
導入効果:
- 以前は職員同士の連絡には無線機を使用していたが、音声が聞き取りにくかったり、利用者のプライバシーが保護されなかったりする問題があった
- LINE WORKSのグループ通話機能を活用したインカムに切り替えることで、音声の品質が向上し、職員間のコミュニケーションがスムーズになった
- インカムの使用により、利用者の状況や要望をリアルタイムに共有できるようになり、ケアの質や安全性が高まった
参照URL:[LINE WORKSの導入事例]
まとめ
この記事では、介護現場におけるICTの活用とメリットについて、具体的な事例を紹介しました。ICTの導入は、介護現場の課題に対応するだけでなく、新たな価値を創出する可能性があります。介護現場でのICT化は、今後も加速していくと予想されます。
ICTの導入に興味のある方は、ぜひ参考にしてみてください。また、ICTの導入に関するご相談やご質問がありましたら、お気軽にお問い合わせください。