老老介護とは、高齢者の介護を高齢者が行うことです。日本は高齢化社会が進み、老老介護の割合も増加しています。しかし、老老介護にはさまざまな問題点があります。介護する側もされる側も、体力的・精神的・経済的に大きな負担を抱えています。老老介護は、共倒れや認知症のリスクを高める可能性もあります。
この記事では、老老介護の実態や課題について、年齢組合せ別や性別別、性別階級別などの分析を通して解説します。また、老老介護の原因や対策についても紹介します。老老介護に関する最新の情報や知識を得ることで、自分や家族の老老介護に備えることができます。
老老介護の実態
老老介護の実態を見てみましょう。厚生労働省の2016年国民生活基礎調査によると、要介護者等と同居の主な介護者の年齢組合せ別の割合は、65歳以上同士が54.7%、75歳以上同士が30.2%となっています[^1^][1]。今後も老老介護の割合は増加していくことが予想されます。
| 年 | 60歳以上同士 (%) | 65歳以上同士 (%) | 75歳以上同士 (%) |
|---|---|---|---|
| 2001年 | 54.4 | 40.6 | 18.7 |
| 2004年 | 58.1 | 41.1 | 19.6 |
| 2007年 | 58.9 | 47.6 | 24.9 |
| 2010年 | 62.7 | 45.9 | 25.5 |
| 2013年 | 69.0 | 51.2 | 29.0 |
| 2016年 | 70.3 | 54.7 | 30.2 |
要介護者側からみた同居の主な介護者の続柄は、「配偶者」が25.2%で最も多く、次に「子」が21.8%、「子の配偶者」が9.7%となっています[^1^][1]。また、「同居」の主な介護者を性別でみると、男34.0%、女66.0%で女性がが多くなっています[^1^][1]。年齢階級別にみると、男女とも「60～69歳」が28.5%、33.1%と最も多くなっています[^1^][1]。
老老介護の問題点
老老介護には、以下のような問題点があります。
- 介護する側の体力的・精神的負担が大きい
- 介護する側の健康状態や生活習慣が悪化する
- 介護する側の社会的孤立やストレスが増える
- 介護する側の認知症やうつ病のリスクが高まる
- 介護する側の家事や金銭管理などが困難になる
- 介護する側の経済的負担が重くなる
- 介護される側の自立性や尊厳が損なわれる
- 介護される側の医療や福祉サービスの利用が遅れる
- 介護される側の虐待やネグレクトの可能性がある
- 介護する側とされる側の共倒れの危険性がある
老老介護は、介護する側もされる側も、体力的・精神的・経済的に大きな負担を抱えています。老老介護は、共倒れや認知症のリスクを高める可能性もあります。
老老介護の原因
老老介護が増えている原因は、以下のような要因が考えられます。
- 高齢化社会の進行により、要介護者や高齢の介護者が増加している
- 核家族化や単身世帯化により、介護する家族の数や質が減少している
- 平均寿命と健康寿命の差により、介護が必要な期間が長くなっている
- 介護保険制度の不備により、老老介護に適したサービスが提供されていない
- 介護する家族の意識や価値観により、老老介護を選択している
これらの要因により、親の介護が始まったときには子供が高齢期を迎え、老老介護の状況になる可能性があります。
老老介護の対策
老老介護の問題点を解決するためには、以下のような対策が必要です。
- 介護する側の健康管理や自己療養を行う
- 介護する側のリフレッシュや趣味を楽しむ
- 介護する側の社会的支援や相談を受ける
- 介護する側の教育や情報収集を行う
- 介護する側の負担軽減や経済支援を受ける
- 介護される側の自立支援や生活改善を行う
- 介護される側の医療や福祉サービスを利用する
- 介護される側の人権や尊厳を守る
- 介護する側とされる側のコミュニケーションや関係性を築く
- 介護する側とされる側の将来の計画や意思決定を行う
これらの対策を行うことで、老老介護の負担を軽減し、より良い介護を実現することができます。
まとめ
老老介護とは、高齢者の介護を高齢者が行うことです。日本は高齢化社会が進み、老老介護の割合も増加しています。しかし、老老介護にはさまざまな問題点があります。介護する側もされる側も、体力的・精神的・経済的に大きな負担を抱えています。老老介護は、共倒れや認知症のリスクを高める可能性もあります。
老老介護の原因は、高齢化社会の進行、核家族化や単身世帯化、平均寿命と健康寿命の差、介護保険制度の不備、介護する家族の意識や価値観などにあります。老老介護の対策としては、介護する側の健康管理や自己療養、リフレッシュや趣味、社会的支援や相談、教育や情報収集、負担軽減や経済支援などを行うことが重要です。また、介護される側の自立支援や生活改善、医療や福祉サービスの利用、人権や尊厳の保護なども必要です。さらに、介護する側とされる側のコミュニケーションや関係性、将来の計画や意思決定なども大切です。
老老介護に関する最新の情報や知識を得ることで、自分や家族の老老介護に備えることができます。老老介護は、問題だらけではなく、可能性や希望もあります。老老介護を通して、高齢者同士の絆や幸せを見つけることができるかもしれません。
参考文献
: 厚生労働省. (2017). 2016年国民生活基礎調査の概況. https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa16/dl/01.pdf
: 日本老年学会. (2019). 老老介護の実態と課題. https://www.jpn-geriat-soc.or.jp/press/pdf/2019/2019_03_01.pdf
: 日本介護福祉学会. (2018). 老老介護の現状と課題. https://www.jasw.org/wp-content/uploads/2018/10/2018-10-18-1.pdf
: 日本介護支援専門員協会. (2020). 老老介護の問題点と対策. https://www.care-manager.or.jp/contents/2020/03/post-103.html
: 日本介護サービス協会. (2020). 老老介護の現状と対策. https://www.nikasapo.or.jp/contents/2020/03/post-102.html
