介護とは、高齢者や障害者など、日常生活に困難を抱える人に対して、身体的・精神的・社会的な支援を行うことです。介護には、自宅で行う在宅介護と、施設で行う施設介護の2種類があります。それぞれにメリットやデメリットがありますので、自分や家族の状況に合わせて選択する必要があります。この記事では、介護の種類と施設について、以下の項目に分けて解説します。
- 在宅介護とは
- 施設介護とは
- 介護の種類と施設の選び方
- 介護の種類と施設の費用と補助制度
在宅介護とは
在宅介護とは、自宅や親族の家などで、家族やヘルパーなどの協力を得ながら、介護を受けることです。在宅介護のメリットは、以下のようなものがあります。
- 自分の住み慣れた環境で生活できる
- 家族との絆を深めることができる
- 自分のペースで生活できる
- 自分の好きなものを食べたり、趣味を楽しんだりできる
一方、在宅介護のデメリットは、以下のようなものがあります。
- 介護する家族に負担がかかる
- 介護サービスの利用に制限がある
- 住宅の改修や設備の導入が必要になる場合がある
- 孤立や孤独感を感じることがある
在宅介護を行う場合は、介護保険制度を利用して、介護サービスや介護用品を受けることができます。介護保険制度とは、介護が必要な人に対して、介護サービスや介護用品を提供するための公的な制度です。介護保険制度を利用するには、まず、介護認定を受ける必要があります。介護認定とは、介護が必要な人の介護度を判定することです。介護度は、以下の5段階に分かれます。
- 要支援1:日常生活において、部分的に介護が必要な人
- 要支援2:日常生活において、かなりの介護が必要な人
- 要介護1:日常生活において、常時介護が必要な人
- 要介護2:日常生活において、重度の介護が必要な人
- 要介護3:日常生活において、全面的な介護が必要な人
介護認定を受けた後は、ケアプランを作成します。ケアプランとは、介護が必要な人の状況や希望に応じて、必要な介護サービスや介護用品を決める計画です。ケアプランは、ケアマネージャーという専門家が作成します。ケアマネージャーとは、介護が必要な人や家族と連携して、介護サービスや介護用品の手配や調整を行う人です。ケアプランに基づいて、介護サービスや介護用品を利用することができます。介護サービスや介護用品の利用には、一部の自己負担が必要です。自己負担の割合は、以下のようになっています。
- 要支援1:10%
- 要支援2:10%
- 要介護1:10%
- 要介護2:20%
- 要介護3:30%
在宅介護で利用できる主な介護サービスや介護用品は、以下のようなものがあります。
- 訪問介護:ヘルパーが自宅に訪問して、身体介護や生活援助を行うサービス
- 訪問看護:看護師が自宅に訪問して、医療的なケアを行うサービス
- 通所介護:デイサービスとも呼ばれ、施設に通って、身体介護やレクリエーションなどを受けるサービス
- 定期巡回・夜間対応型訪問介護:定期的にヘルパーが自宅に訪問して、夜間の見守りや緊急時の対応を行うサービス
- 介護予防訪問介護:介護予防とも呼ばれ、ヘルパーが自宅に訪問して、身体機能の維持や向上を目指すサービス
- 介護用品貸与:車椅子や歩行器などの介護用品を貸し出すサービス
- 住宅改修費補助:手すりやスロープなどの住宅改修にかかる費用の一部を補助する制度
施設介護とは
施設介護とは、自宅以外の施設で、専門のスタッフによる介護を受けることです。施設介護のメリットは、以下のようなものがあります。
- 24時間体制で安心して介護を受けることができる
- 専門的な医療やリハビリを受けることができる
- 施設内での交流や活動に参加することができる
- 介護する家族の負担を軽減することができる
一方、施設介護のデメリットは、以下のようなものがあります。
- 自分の住み慣れた環境を離れることになる
- 家族との距離が離れることになる
- 施設のルールやスケジュールに従わなければならない
- 施設の費用が高額になる場合がある
施設介護を行う場合も、介護保険制度を利用することができます。
介護認定を受けた後は、施設の種類に応じて、入所申請を行います。施設の種類は、以下のように分かれます。
- 介護老人保健施設:医療と介護の両方を提供する施設で、要介護1以上の人が入所できます。
- 介護療養型医療施設:医療的なケアが必要な人が入所できる施設で、要介護2以上の人が入所できます。
- 特別養護老人ホーム:介護が必要な高齢者が入所できる施設で、要介護1以上の人が入所できます。
- グループホーム:認知症の人が入所できる施設で、要介護1以上の人が入所できます。
- サービス付き高齢者向け住宅:自立した生活ができる高齢者が入所できる施設で、要支援1以上の人が入所できます。
施設介護で利用できる主な介護サービスは、以下のようなものがあります。
- 入浴介護:施設内の浴室で、スタッフが入浴の手助けを行うサービス
- 食事介護:施設内の食堂で、スタッフが食事の準備や介助を行うサービス
- 排泄介護:施設内のトイレで、スタッフが排泄の介助を行うサービス
- 移動介護:施設内で、スタッフが移動の介助を行うサービス
- 生活介護:施設内で、スタッフが着替えや洗顔などの生活の介助を行うサービス
- リハビリテーション:施設内で、スタッフが身体機能の回復や維持を目指すサービス
- レクリエーション:施設内で、スタッフが娯楽や交流の機会を提供するサービス
介護の種類と施設の選び方
介護の種類と施設の選び方は、以下のようなポイントに注意して行うとよいでしょう。
- 自分や家族の介護度や状況を把握する
- 自分や家族の希望やニーズを明確にする
- 施設の種類や特徴を比較検討する
- 施設の費用や空き状況を確認する
- 施設の見学や体験入所を行う
- ケアマネージャーや介護相談窓口などの専門家に相談する
介護の種類と施設の費用と補助制度
介護の種類と施設の費用と補助制度は、以下のようになっています。
- 在宅介護の費用と補助制度
- 介護サービスや介護用品の利用には、一部の自己負担が必要です。自己負担の割合は、介護度によって異なります。
- 住宅改修費補助制度では、住宅改修にかかる費用の一部を補助します。補助額は、介護度や所得によって異なります。
- 介護保険給付費の限度額制度では、介護サービスや介護用品の利用にかかる費用の上限を設定します。上限額は、介護度によって異なります。
- 介護保険給付費の自己負担限度額制度では、介護サービスや介護用品の利用にかかる自己負担の上限を設定します。上限額は、所得によって異なります。
- 施設介護の費用と補助制度
- 施設の利用には、以下の3つの費用がかかります。
- 施設サービス費:施設で提供される介護サービスにかかる費用です。介護保険制度を利用することができます。
- 施設基本費:施設で提供される食事や水道光熱費などの生活費です。自己負担となります。
- 施設入居費:施設に入居するために必要な費用です。自己負担となります。
- 施設の費用は、施設の種類や規模、地域などによって異なります。平均的な費用は、以下のようになっています。
- 介護老人保健施設:約25万円/月
- 介護療養型医療施設:約30万円/月
- 特別養護老人ホーム:約20万円/月
- グループホーム:約15万円/月
- サービス付き高齢者向け住宅:約10万円/月
- 施設の費用に対して、以下のような補助制度があります。
- 生活保護制度:所得が一定以下の人に対して、施設の費用の一部を補助します。
- 介護保険給付費の自己負担限度額制度:施設サービス費にかかる自己負担の上限を設定します。上限額は、所得によって異なります。
- 介護保険給付費の減額制度:所得が一定以下の人に対して、施設サービス費の自己負担を減額します。
- 介護保険給付費の免除制度:所得が一定以下の人に対して、施設サービス費の自己負担を免除します。
- 施設の利用には、以下の3つの費用がかかります。
まとめ
介護の種類と施設について、以下のようにまとめました。
- 介護の種類と施設について、以下のようにまとめました。
- 介護には、自宅で行う在宅介護と、施設で行う施設介護の2種類があります。
- 在宅介護と施設介護には、それぞれメリットやデメリットがあります。
- 介護の種類と施設の選び方は、自分や家族の介護度や状況、希望やニーズ、施設の種類や特徴、費用や空き状況などを考慮して行う必要があります。
- 介護の種類と施設の費用と補助制度は、介護保険制度や生活保護制度などを利用することができます。
介護の種類と施設についての記事は、ここまでです。この記事が、介護に関する知識や選択の参考になれば幸いです。😊