介護のリアル: 家族と共に笑い泣きする日々

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認知症予防に役立つ生活習慣と活動~日本各地で行われている取り組みを参考に

認知症の予防に関する取り組みを紹介します

認知症は、高齢者の健康や生活の質に大きな影響を及ぼす疾患です。認知症の発症には、加齢や遺伝などの要因が関係していますが、それだけではなく、生活習慣や環境などの要因も関係していることがわかってきました。認知症の発症を防ぐことはできないか、もしくは発症を遅らせることはできないか、ということに関心が高まっています。

認知症の予防には2つの観点があります

認知症の予防には、生理的アプローチと認知的アプローチの2つの観点があります。生理的アプローチでは、栄養や運動などの健康的な生活習慣が認知症の発症を抑制することが示されています。認知的アプローチでは、教育や知的活動、社会的交流などの認知的予備力を高めることが認知症の発症を遅らせることが示されています。1 2

生理的アプローチとは

生理的アプローチとは、脳をはじめとする全身の生理的状態を良好に保つことを目的としたアプローチです。栄養面では、多様な食品摂取が認知機能低下の抑制に寄与することが指摘されています。3 運動面では、有酸素運動による血管新生や神経細胞の成長などの効果が報告されています。4 また、飲酒、喫煙、体型などの生活習慣全般が認知症の発症に影響することも報告されています。5 生理的アプローチとして認知機能低下抑制に有効とされる取り組みは、循環器疾患の予防にも関連するものであり、循環器疾患の予防が結果として中枢神経の生理状態を良好に保つことに寄与することを示す重要なものです。

認知的アプローチとは

認知的アプローチとは、中枢神経の働きに着目しており、主に認知的予備力仮説に基づいたアプローチです。認知的予備力仮説では、認知機能を反映する脳内神経ネットワークは頻繁に使用することによって強固になり、病的な神経ネットワークへの侵襲に備えることができると想定しています。6 例えば、教育年数の短さがアルツハイマー病のリスク増加と関与している理由は認知的予備力仮説によって説明される可能性があります。7 また、人生を通して手紙を書くなどの認知的活動を行う機会が多い人は、認知的活動を行う機会が多く、認知的予備力が高いと考えられます。8 さらに、社会的交流や趣味などの活動も、認知的予備力の向上に寄与すると考えられます。9 認知的アプローチとして認知機能低下抑制に有効とされる取り組みは、脳の機能を刺激することで、脳の可塑性を高めることに寄与することを示す重要なものです。

認知症の予防に関する取り組みの例

認知症の予防に関する取り組みの例として、以下のようなものがあります。

  • 食事:野菜や果物、魚などの多様な食品を摂取し、塩分や脂質の過剰摂取を避ける。ビタミンB群やオメガ3脂肪酸などの栄養素が認知機能に良い影響を与えるとされる。10
  • 運動:歩行や自転車などの有酸素運動を週に3回以上、30分以上行う。運動は血流や酸素の供給を改善し、脳の機能を高めるとともに、認知症の危険因子である高血圧や糖尿病などの予防にもなる。11
  • 教育:学校や職場などでの教育を受けることは、認知的予備力を高めることにつながる。また、退職後も学び続けることは、脳の刺激になるとともに、社会的交流の機会にもなる。12
  • 知的活動:読書やパズル、将棋などの知的活動を日常的に行うことは、脳の機能を維持することに寄与する。知的活動は、脳の神経回路を活性化し、新しい神経細胞やシナプスを形成することによって、脳の可塑性を高めると考えられる。13
  • 社会的交流:家族や友人、地域などとの社会的交流を持つことは、認知機能の維持に重要である。社会的交流は、脳の情動や記憶などの機能を刺激し、ストレスの軽減や自己効力感の向上にも寄与する。14
  • 趣味:音楽や絵画、園芸などの趣味を持つことは、認知機能の維持に有効である。趣味は、脳の創造性や感性などの機能を刺激し、生きがいや満足感を高めることにも寄与する。15

認知的活動とは、脳を使うことで神経細胞や神経回路を刺激し、脳の機能を維持することを目的とした活動です。読書や勉強、パズルやゲームなどが認知的活動の例として挙げられます。認知的活動を行うことで、認知的予備力を高めることができます。認知的予備力とは、脳の損傷に対して抵抗力を持つ能力のことで、認知的予備力が高いほど、認知症の発症を遅らせることができます。1 2

日本の各地で行われている認知症予防の取り組み

日本では、認知症の予防に関する取り組みが各地で行われています。ここでは、その一部を紹介します。

北海道函館市の「認知症予防教室」

北海道函館市では、高齢者の認知症予防に資する運動や脳トレを行う「認知症予防教室」を開催しています。3 この教室では、専門家の指導のもと、バランスボールやエアロバイクなどの身体活動と、漢字や計算などの知的活動を組み合わせたプログラムを実施しています。参加者は、楽しみながら認知症予防に効果的な活動を行うことができます。

京都市の「認知症予防サポーター」

京都市では、認知症予防に関する啓発や教育を行う「認知症予防サポーター」を養成しています。4 このサポーターは、認知症予防に関する基礎知識や実践方法を学び、自分自身の予防に役立てるとともに、地域の高齢者や家族にも情報を伝える役割を担います。サポーターは、認知症予防の普及に貢献するだけでなく、自分自身の社会的交流や生きがいにもつながります。

大分県豊後高田市の「認知症予防ポータルサイト」

大分県豊後高田市では、認知症予防に関する情報を発信する「認知症予防ポータルサイト」を運営しています。5 このサイトでは、認知症予防の基礎知識や生活習慣の改善方法、認知症予防に役立つレシピや脳トレゲームなどのコンテンツを提供しています。また、市内で行われる認知症予防のイベントや講座の情報も掲載しています。このサイトを通じて、認知症予防に関心のある人が気軽に情報を得ることができます。

まとめ

認知症の予防には、生理的アプローチと認知的アプローチの2つの観点があります。生理的アプローチでは、栄養や運動などの健康的な生活習慣が認知症の発症を抑制することが示されています。認知的アプローチでは、教育や知的活動、社会的交流などの認知的予備力を高めることが認知症の発症を遅らせることが示されています。1 2

日本では、認知症の予防に関する取り組みが各地で行われています。北海道函館市では、高齢者の認知症予防に資する運動や脳トレを行う「認知症予防教室」を開催しています。3 京都市では、認知症予防に関する啓発や教育を行う「認知症予防サポーター」を養成しています。4 大分県豊後高田市では、認知症予防に関する情報を発信する「認知症予防ポータルサイト」を運営しています。5

これらの取り組みは、認知症の予防に関する知識や意識を高めるとともに、高齢者の社会参加やコミュニケーションを促進することで、認知症の予防に資する効果が期待されます。