介護のリアル: 家族と共に笑い泣きする日々

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高齢者の心筋症はどうすればいい?原因と対策を解説

高齢者の心筋症とは?症状・原因・診断・治療・予後・看護について解説

心筋症とは、心臓の筋肉が変形してしまうことで、心臓のポンプ機能の低下をきたす疾患の総称です。高齢者の場合は、根治治療である心臓移植が適応外となるため、対症療法がメインの治療となります。この記事では、高齢者の心筋症の症状、原因、診断、治療、予後、看護について解説します。

高齢者の心筋症の症状

心筋症には大きくわけて「拡張型心筋症」「肥大型心筋症」があります。拡張型心筋症は特に40歳から70歳の男性に多いとされています。心筋症を発症すると、ポンプ機能の低下により、全身に血液を送りにくくなってしまうため、以下のような症状が起きます。

  • 動悸
  • 呼吸困難
  • 浮腫
  • 不整脈
  • 胸痛
  • 息切れ
  • めまい、失神

高齢者の心筋症の原因

心筋症で多い「拡張型心筋症」「肥大型心筋症」、ともに発症の原因は不明となっており、現在も研究が進められています。一方で、拡張型心筋症は25から30%、肥大型心筋症は約半数が家族性だということがわかっています。そのため、血縁の家族の中で心筋症の方がいる場合には、発症するリスクが上がるために注意が必要です。

高齢者の心筋症の診断

心筋症では、以下の検査を行います。

  • 聴診にて心臓が収縮する際に、雑音が聴取できます
  • 心電図にて、特徴的な心電図波形が見れる
  • レントゲン写真にて、心臓肥大や胸水が確認できる
  • 心臓エコーにて、左室の拡大、壁運動のびまん性低下
  • 心臓カテーテル

これらの診断内容を総合的に判断し、心筋症と診断されます。

高齢者の心筋症の治療

心筋症の場合、根治治療としては心臓移植のみとなっています。そのため、高齢者の場合はこれ以上心臓の負担をかけず、心筋の機能を低下させないようにする対症療法が行われます。具体的な対症療法としては、次のことがあげられます。

  • 生活習慣の改善
    心臓に負荷のかかる水分、塩分、飲酒を制限し、タバコは禁煙。規則正しい生活を送り、ストレスを避けるようにします。
  • 心不全に対して
    心筋の機能が衰えることで、心不全を併発します。そこで、心不全の治療に準じて、薬での内服治療が行われます。
  • 血栓、塞栓症に対して
    心筋の機能が衰えることで、血液の流れが悪くなるため、血の塊である血栓ができやすくなります。血栓が血管の一部をふさいでしまうことで、心筋梗塞や脳梗塞など、生命にかかわる重篤な症状を引き起こす恐れがあるため、血液が固まりにくくなる抗凝固作用のある薬を内服し、血栓ができないようにする治療を行います。
  • 不整脈に対して
    心臓の筋肉が弱ってしまうことで、不整脈が起こりやすくなります。特に注意したいのが「重症徐脈」と呼ばれる状態で、必要な回数以下の脈拍しか起こらないために、脳が酸欠状態となり、突然意識がなくなってしまうといった症状が出現する恐れがあります。これらの症状を予防するために、不整脈を改善する薬を使用したり、ペースメーカーを埋め込んで脈拍を機械の力によってサポートする必要があります。

高齢者の心筋症の予後

拡張型心筋症の場合は、進行性の病気なため、肥大型心筋症に比べて予後不良となっています。20年生存率は約30%と言われています。肥大型心筋症の場合は、症状が出ない場合もありますが、突然死のリスクが高いとされています。10年生存率は約80%と言われています。心筋症の予後は、症状の重さや合併症の有無、治療の効果などによって異なります。定期的な検査や治療を受けることが重要です。

高齢者の心筋症の看護

心筋症の看護では、以下の点に注意します。

  • 心不全の状態を把握する
    心不全の症状や重症度に応じて、適切な看護を行います。心不全の評価には、ニューヨーク心臓協会(NYHA)の分類や、日本循環器学会の心不全の診断基準を参考にします。心不全の症状には、呼吸困難、浮腫、動悸、胸痛、疲労感などがあります。これらの症状の程度や頻度を観察し、記録します。また、体重、血圧、脈拍、体温、尿量などのバイタルサインを測定し、変化に注意します。
  • 薬物療法の管理と教育
    心筋症の治療には、心不全や不整脈などの症状を改善するために、さまざまな薬が使用されます。これらの薬には、利尿剤、ACE阻害剤、β遮断剤、カルシウム拮抗剤、抗凝固剤、抗不整脈剤などがあります。これらの薬の作用や副作用、服用方法や注意点などを患者さんや家族に教育します。また、薬の効果や副作用の有無を観察し、記録します。
  • 生活指導と心理的支援
    心筋症の患者さんは、生活習慣の改善や自己管理が必要です。水分や塩分の摂取量を制限し、適度な運動を行うように指導します。また、タバコやアルコールの摂取を控えるように勧めます。心筋症の患者さんは、病気の進行や予後に不安や恐怖を感じることがあります。そこで、心理的な支援を行い、信頼関係を築きます。患者さんの気持ちを聞いたり、情報提供や相談に応じたりします。また、家族や地域の支援者と連携し、社会的な支援を受けられるようにします。

高齢者の心筋症についてのまとめ

高齢者の心筋症は、心臓の筋肉が変形してしまうことで、心臓のポンプ機能の低下をきたす疾患です。拡張型心筋症と肥大型心筋症があり、原因は不明ですが、家族性があることがわかっています。心筋症では、心不全や不整脈などの症状が出現し、予後は不良です。治療は、心臓移植以外には対症療法が行われます。看護では、心不全の状態を把握し、薬物療法の管理と教育、生活指導と心理的支援を行います。

項目 内容
治療法
  • 心臓移植以外には対症療法がメイン
  • 水分や塩分の制限、適度な運動、禁煙などの生活習慣の改善
  • 利尿剤、ACE阻害剤、β遮断剤、カルシウム拮抗剤、抗凝固剤、抗不整脈剤などの薬物療法
  • ペースメーカーの装着などの不整脈の予防・治療
注意点
  • 風邪症状に加えて胸痛や動悸があれば、心筋炎の可能性を疑って早めに検査を受ける
  • 血縁の家族の中で心筋症の方がいる場合には、発症するリスクが上がるために注意する
  • 薬の作用や副作用、服用方法や注意点などを医師や看護師に確認する
  • 体重、血圧、脈拍、体温、尿量などのバイタルサインを測定し、変化に注意する
対応の仕方
  • 心不全の症状や重症度に応じて、適切な看護を受ける
  • 心理的な支援を求める
  • 家族や地域の支援者と連携し、社会的な支援を受ける
  • 定期的な検査や治療を受ける