介護施設に入居を検討している方やご家族の方は、見学に行くことが大切です。見学に行くことで、施設の雰囲気やサービス内容、費用などを実際に確認できます。しかし、見学に行くだけではなく、どのようなことをチェックすべきか、どのような質問をすべきかも重要です。この記事では、介護施設の見学時における、必須のポイントを紹介します。
介護施設の見学時に確認すべき4つのポイント
介護施設の見学時に確認すべきポイントは、以下の4つです。
- 施設環境について
- スタッフ・利用者の雰囲気について
- 介護・医療体制について
- 契約の詳細について
それぞれのポイントについて、詳しく見ていきましょう。
施設環境について
施設環境については、以下のようなことをチェックしましょう。
- 周辺環境・アクセスの良さ
- 生活スペース
- その他の設備
- 清掃・メンテナンス状況
周辺環境・アクセスの良さは、自宅からの通いやすさや、近隣の商業施設や散歩コースの有無などを確認します。アクセスしやすい立地にあれば、家族の訪問や外出がしやすく、入居者の孤独感も解消できます。
生活スペースは、居室や共有スペースの広さや清潔さ、設備の充実度などを確認します。居室には、トイレ・洗面台・緊急通報装置などが設置されているか、家具の持ち込みができるかなどを確認します。共有スペースは、利用者が多くの時間を過ごす場所なので、居心地や使い勝手が良いかを確認します。また、高齢者は転倒しやすいので、すべてのスペースに安全対策ができているかもチェックしましょう。
その他の設備は、入浴設備や機能訓練室など、居室以外のスペースについて確認します。身体的不自由がある方や長期入居を検討している方は、機械浴が装備されているかも重要なポイントです。機械浴には、チェアー浴とストレッチャー浴の2種類があります。チェアー浴は、専用の椅子に座った状態で入浴できる設備で、浴槽に入る動作ができない方でも安全に入浴ができます。ストレッチャー浴は、寝たまま入浴が可能で、座った状態を保てない方が主に利用します。施設によって機械浴のタイプが異なるので、見学時に確認しておきましょう。
清掃・メンテナンス状況は、施設の清潔感や衛生環境などを確認します。施設によっては、排泄介助を必要とする方も多く、こまめに清掃をしなければ汚れや臭いが残ってしまうことがあります。見学時には、施設内がきちんと片付いているか、普段掃除はどのようにどれくらいの頻度で行っているのか質問してみると良いでしょう。
スタッフ・利用者の雰囲気について
スタッフ・利用者の雰囲気については、以下のようなことをチェックしましょう。
- スタッフの対応
- 利用者の雰囲気
スタッフの対応は、明るい表情で丁寧に対応しているか、スタッフ同士や利用者とのコミュニケーションが円滑に行われているかなどを確認します。スタッフの対応が良ければ、質の良いサービスを受けられるといってもよいでしょう。また、施設の責任者である施設長の話を聞いてみることもおすすめです。施設の方針や経営理念、施設の特徴などを質問しておくことで、施設選びの重要な判断材料になります。
利用者の雰囲気は、明るい表情で談笑しているか、共有スペースに人が集まっているかなどを確認します。利用者の雰囲気を確認するためには、レクリエーションや昼食時に訪問するのがベストです。ほかにも施設によってはイベントを設けているので、日常生活とイベント時の両方に訪問すると、より施設について理解できます。利用者の雰囲気が良ければ、入居者も楽しく過ごせるといってもよいでしょう。利用者の声も聞いてみると、施設の良さや改善点などがわかるかもしれません。
介護・医療体制について
介護・医療体制については、以下のようなことをチェックしましょう。
- 介護サービスの内容・質
- 医療サービスの内容・質
- 介護・医療スタッフの人数・資格
介護サービスの内容・質は、入浴・食事・排泄・移動などの日常生活の介助や、レクリエーションや機能訓練などの生活支援の内容や質を確認します。介護サービスの内容や質は、利用者のニーズや希望に応じて柔軟に対応できるか、個別にケアプランを作成しているか、利用者の意思や人格を尊重しているかなどを確認します。また、介護サービスの提供方法や時間帯なども確認しておきましょう。
医療サービスの内容・質は、緊急時の対応や定期的な健康診断、服薬管理などの医療的なサービスの内容や質を確認します。医療サービスの内容や質は、緊急時には迅速に対応できるか、定期的に医師や看護師の訪問があるか、服薬管理はきちんと行われているかなどを確認します。また、医療サービスの提供方法や時間帯なども確認しておきましょう。
介護・医療スタッフの人数・資格は、介護・医療サービスの提供に必要なスタッフの人数や資格を確認します。介護・医療スタッフの人数や資格は、利用者の数や状態に応じて適切な人員配置がされているか、スタッフの資格や経験は十分か、定期的に研修や勉強会が行われているかなどを確認します。また、スタッフの離職率や勤続年数なども確認しておきましょう。
契約の詳細について
契約の詳細については、以下のようなことをチェックしましょう。
- 費用の内訳・支払い方法
- 入居条件・退去条件
- その他の注意事項
費用の内訳・支払い方法は、介護施設の利用にかかる費用の内訳や支払い方法を確認します。費用の内訳は、施設利用料や食費、水道光熱費、医療費などが含まれているか、介護保険や公的助成などが適用されるかなどを確認します。支払い方法は、月額や年額で支払うか、前払いや後払いか、振込や現金かなどを確認します。また、入居時に必要な預り金や敷金、保証金なども確認しておきましょう。
入居条件・退去条件は、介護施設に入居するための条件や退去する場合の条件を確認します。入居条件は、介護度や年齢、健康状態などが基準になっているか、入居審査や面接があるか、入居待ちの状況はどうかなどを確認します。退去条件は、退去の理由や期限、手続き、費用などが明確になっているか、退去後の引き継ぎやフォローがあるかなどを確認します。
その他の注意事項は、契約書に記載されている内容以外にも、注意すべきことがあるかを確認します。その他の注意事項は、利用者の権利や義務、施設のルールやマナー、苦情や相談の窓口などが含まれます。契約書には書かれていないことでも、後からトラブルにならないように、事前に確認しておきましょう。
まとめ
介護施設の見学に行く前に知っておきたいことを紹介しました。介護施設の見学は、入居を検討する上で重要なステップです。見学に行くことで、施設の雰囲気やサービス内容、費用などを実際に確認できます。しかし、見学に行くだけではなく、どのようなことをチェックすべきか、どのような質問をすべきかも重要です。この記事で紹介した4つのポイントを参考にして、自分や家族に合った介護施設を見つけましょう。