介護に関する入門的研修とは、介護未経験者や介護業界での勤務を考えている方に向けた、介護の基礎的な知識を学ぶ研修です。この記事では、入門的研修の研修内容や期間、受講資格などを詳しく解説します。
この記事の目次
入門的研修とは？新設背景と概要
今後も高齢化が進み、介護が必要となる高齢者が増加していく中、介護業務を担う介護職員の数がこのまま推移すると、2025年には介護職員は約38万人不足するというニュースがありました。
介護職員の確保は、この国が抱える社会保障制度の大きな問題の一つです。この研修制度の創設は、厚生労働省を中心に介護の人材確保に向けた様々な政策を検討したうえで実施した、社会保障制度を維持するために重要な施策の一つです。
より多くの方へ介護を知ってもらう機会とするとともに、介護業界で働く際の不安を払拭できるようし、介護未経験者の就業を促進することを目的としています。
入門的研修の具体的な内容
入門的研修では介護に関する基礎的な知識を学びます。修了テストや実習はありません。基本的には講義が中心となりますが、基礎講座のうち介護の基本と入門講座の基本的な介護の方法に関しては演習が行われます。
具体的な研修内容については下記の通りです。
| 研修科目 | 研修時間数 | 研修内容 | |
|---|---|---|---|
| 基礎講座 | 介護に関する基礎知識 | 1.5時間 | 介護サービスの種類や利用の流れ、介護保険制度の概要などを学びます。 |
| 基礎講座 | 介護の基本 | 1.5時間 | 介護における安全な体の動かし方や認知症予防で活用できる体操などを学びます。 |
| 入門講座 | 基本的な介護の方法 | 10時間 | 介護職としての役割や専門性、基本的な生活援助技術、老化の理解などを学びます。 |
| 入門講座 | 認知症の理解 | 4時間 | 認知症の種類、原因、特徴など認知症の基礎知識を学びます。 |
| 入門講座 | 障害の理解 | 2時間 | 障害の特性や特徴など障害福祉についての理解と、障害福祉制度の概要について学びます。 |
| 入門講座 | 介護における安全確保 | 2時間 | 介護の現場で起こりうる事故や感染症と合わせて、事故の対応や安全対策、感染症対策等を学びます。 |
| 合計時間数 | 21時間 |
入門的研修を取得したら何ができるの？
介護の現場における多くの業務は、無資格でも行うことができます。入門的研修は、介護についての知識を得ることで業務について理解することができ、介護未経験者が介護業界へ就職する際の不安という障壁を下げることを目的としています。
日本の介護知識や技術は日々進歩しています。急速に進む高齢化に合わせて、研究や技術開発なども発展しており、様々なノウハウが蓄積されています。サービスの質をより高く、どのような高齢者にも対応できるよう情報を集め、分析し、整理されたものが、今日における介護の知識と技術に活かされています。
そのため、入門的研修を受講することで業務に役立てられる知識を習得でき ます。
入門的研修を受講することで、介護の現場で必要となる基本的な知識や技術を身につけることができます。また、介護の仕事に興味を持った方や、介護業界で働くことを検討している方にとっては、入門的研修は介護の仕事のイメージをつかむことができる良い機会となります。
入門的研修を取得後のキャリアアップについて
入門的研修を取得したら、次はどのようなキャリアアップの道があるのでしょうか？
入門的研修は、介護の基礎的な知識を学ぶ研修ですが、それだけでは介護の仕事に必要なスキルや知識は十分ではありません。介護の仕事は、高齢者のニーズや状況に応じて、柔軟に対応することが求められます。そのため、より専門的な知識や技術を身につけることが、介護の仕事の質を高めることにつながります。
介護の仕事におけるキャリアアップの方法としては、以下のようなものがあります。
- 介護職員初任者研修：介護の基本的な知識や技術をさらに深めることができる研修です。入門的研修の修了証を持っている場合は、研修時間が短縮されます。介護職員初任者研修を修了すると、介護福祉士の国家試験の受験資格が得られます。
- 介護福祉士：介護の専門家として、高齢者の生活全般にわたる支援を行うことができる資格です。介護福祉士は、介護サービスの計画や実施、評価などを行うことができます。介護福祉士の資格を持つと、介護の仕事の幅が広がります。
- 介護支援専門員（ケアマネージャー）：介護が必要な高齢者やその家族に対して、介護サービスの適切な利用や生活の相談に応じることができる資格です。介護支援専門員は、介護サービスの提供者と連携して、高齢者のニーズに合った介護計画を作成します。介護支援専門員の資格を持つと、介護の仕事の責任が高まります。
これらの資格を取得することで、介護の仕事におけるスキルや知識を高めることができます。また、資格を持つことで、給与や待遇などの面でもメリットがあります。
入門的研修の取得期間
入門的研修の取得期間は、研修の内容によって異なりますが、一般的には以下のようになっています。
- 基礎講座：3時間
- 入門講座：18時間
- 合計：21時間
研修の期間は、研修の開催日や時間帯によっても変わりますが、通常は1日3時間程度のペースで行われます。その場合、研修の修了には約1週間かかります。
研修の受講方法は、対面式やオンライン式などがあります。対面式の場合は、研修会場に実際に足を運んで受講します。オンライン式の場合は、インターネットを通じて自宅や職場などで受講します。
研修の受講方法によっては、研修の期間や時間帯を自分の都合に合わせて調整できる場合があります。例えば、オンライン式の場合は、研修の録画を視聴したり、研修の時間を自由に選択したりできる場合があります。
受講資格について
入門的研修の受講資格は、以下のようになっています。
- 介護に関する知識や経験がない方
- 介護に関する知識や経験があるが、基礎的な知識を再確認したい方
- 介護の仕事に興味がある方
- 介護の仕事を検討している方
入門的研修は、介護に関する知識や経験がない方を対象とした研修ですが、知識や経験がある方でも受講することができます。また、介護の仕事に興味がある方や検討している方にとっては、入門的研修は介護の仕事のイメージをつかむことができる良い機会となります。
入門的研修の受講資格には、年齢や学歴などの制限はありません。どなたでも受講することができます。
まとめ
この記事では、介護に関する入門的研修について、以下の点を解説しました。
- 入門的研修とは、介護の基礎的な知識を学ぶ研修で、介護未経験者や介護業界での勤務を考えている方に向けた研修です。
- 入門的研修の研修内容は、基礎講座と入門講座に分かれており、合計21時間で修了できます。
- 入門的研修を受講することで、介護の現場で必要となる基本的な知識や技術を身につけることができます。また、介護の仕事に興味を持った方や検討している方にとっては、入門的研修は介護の仕事のイメージをつかむことができる良い機会となります。
- 入門的研修を取得したら、次は介護職員初任者研修や介護福祉士、介護支援専門員などの資格を取得することで、介護の仕事におけるスキルや知識を高めることができます。また、資格を持つことで、給与や待遇などの面でもメリットがあります。
- 入門的研修の受講資格は、介護に関する知識や経験がない方や、介護の仕事に興味がある方など、どなたでも受講することができます。研修の受講方法は、対面式やオンライン式などがあります。
介護に関する入門的研修は、介護の基礎的な知識を学ぶことができる研修です。介護の仕事に興味がある方や検討している方にとっては、入門的研修は介護の仕事のイメージをつかむことができる良い機会となります。もし、あなたが介護に関する入門的研修に興味があるなら、ぜひ受講してみてください。
