介護の仕事に興味がある方や、すでに介護職として働いている方の中には、介護の資格を取得したいと考えている方も多いでしょう。介護の資格は、キャリアアップやスキルアップに役立つだけでなく、介護の現場で必要な知識や技術を身につけることができます。
しかし、介護の資格は種類が多く、どの資格を取得すればいいのか、どのように取得すればいいのか、わからない方もいるかもしれません。そこで、この記事では、介護の資格の種類や取得方法、メリットなどについて解説します。介護の資格取得を目指す方の参考になれば幸いです。
介護の資格の種類と取得方法
介護の資格は、大きく分けて以下の4つのグループに分類できます。
- 国家資格…国が定めた基準に合格することで取得できる資格。介護の国家資格は介護福祉士のみ。
- 国家試験資格…国が実施する試験に合格することで取得できる資格。介護の国家試験資格はケアマネージャー（介護支援専門員）など。
- 民間資格…民間団体が実施する試験や研修に合格することで取得できる資格。介護の民間資格は介護職員初任者研修や介護福祉士実務者研修など。
- その他の資格…介護に関連する資格で、上記のいずれにも該当しないもの。介護のその他の資格は介護レクリエーション検定や介護食調理師など。
それぞれの資格の取得方法は、以下のようになります。
介護福祉士
介護福祉士は、介護の国家資格です。介護のプロとして、高度な知識や技術を持ち、介護の指導や管理を行うことができます。介護福祉士の資格を持つと、介護の現場でリーダーシップを発揮したり、給与や待遇が向上したりするメリットがあります。
介護福祉士の資格を取得するには、以下の3つのルートのいずれかを選ぶ必要があります。
- 実務経験ルート…3年以上の介護の実務経験と介護福祉士実務者研修の修了が必要。その後、国家試験に合格する。
- 養成施設ルート…介護福祉士養成施設（専門学校や短期大学など）に入学し、卒業する。その後、国家試験に合格する。
- 福祉系高校ルート…福祉系の高校に入学し、卒業する。その後、国家試験に合格する。
実務経験ルートは、すでに介護職として働いている方に向いています。養成施設ルートは、介護の専門知識や技術を学びたい方に向いています。福祉系高校ルートは、高校卒業後にすぐに介護福祉士を目指したい方に向いています。
ケアマネージャー（介護支援専門員）
ケアマネージャー（介護支援専門員）は、介護の国家試験資格です。介護の計画書であるケアプランを作成し、利用者や家族、関係者との調整を行うことができます。ケアマネージャーの資格を持つと、介護の現場でコミュニケーション能力や調整能力を発揮したり、給与や待遇が向上したりするメリットがあります。
ケアマネージャーの資格を取得するには、以下の手順を踏む必要があります。
- 医師や社会福祉士、介護福祉士などの保険・医療・福祉系の資格を持ち、5年以上の実務経験があること。
- 国家試験に合格すること。
- 87時間の実務研修を修了すること。
- 資格証の登録を行うこと。
ケアマネージャーの資格は、他の資格や実務経験が必要なため、取得難易度は高いと言えます。しかし、介護の現場で重要な役割を担う資格なので、挑戦する価値は高いと言えます。
介護職員初任者研修
介護職員初任者研修は、介護の民間資格です。もともとはヘルパー2級と呼ばれていた資格で、身体介護や生活援助の基本を学ぶことができます。介護のスタート資格と言われることが多く、介護の仕事に興味がある方や、介護の現場で働き始めた方に向いています。
介護職員初任者研修の資格を取得するには、以下の手順を踏む必要があります。
- 民間企業が運営する通学講座に申し込むこと
- 通学講座の受講料を支払うこと
- 130時間の講義と演習を受けること
- 修了試験に合格すること
通学講座の受講料は、スクールによって異なりますが、平均して5万円から10万円程度かかります。ただし、無料で受講できる方法もありますので、後述します。
130時間の講義と演習は、以下の10の科目から構成されています。
| 科目名 | 受講時間 |
|---|---|
| 介護の仕事と役割 | 9時間 |
| 介護の基礎知識 | 9時間 |
| 介護の現場で必要なコミュニケーション | 9時間 |
| 介護の現場で必要な基礎的な医学知識 | 9時間 |
| 介護の現場で必要な基礎的な看護知識 | 9時間 |
| 介護の現場で必要な基礎的な栄養学知識 | 9時間 |
| 介護の現場で必要な基礎的な生活衛生知識 | 9時間 |
| 介護の現場で必要な基礎的な福祉知識 | 9時間 |
| 介護の現場で必要な基礎的な法律知識 | 9時間 |
| こころとからだのしくみと生活支援技術 | 40.5時間 |
修了試験は、筆記試験のみで構成されています。試験時間は1時間で、出題数は50問です。合格基準は、正答率が60％以上であることです。修了試験に合格すると、修了証が発行され、介護職員初任者研修の資格を取得できます。
介護職員初任者研修を無料で取得する方法
介護職員初任者研修の受講料は、一般的に5万円から10万円程度かかりますが、無料で取得できる方法もあります。以下に、無料で取得できる方法を紹介します。
- 自治体の資格取得支援事業を利用する方法…自治体が実施する介護の資格取得支援事業に申し込むと、受講料の一部または全額が補助される場合があります。自治体によって支援内容や対象者が異なるので、事前に確認しておきましょう。
- ハローワークの職業訓練を利用する方法…ハローワークが実施する公共職業訓練や求職者支援訓練に申し込むと、受講料が無料になる場合があります。ただし、受講には一定の条件があり、受講期間も長くなる場合があります。
- 就職先の資格取得支援制度を利用する方法…介護施設などの就職先が資格取得支援制度を行っている場合があります。その場合、受講料の一部または全額が負担されたり、受講日を出勤扱いにしたりすることができます。
- 無料で受講できる介護資格スクールに通う方法…特待生制度やキャンペーンを利用することで、無料で受講できる介護資格スクールがあります。ただし、スクールによって特待生の条件やキャンペーンの期間が異なるので、事前に確認しておきましょう。
介護の資格取得のメリット
介護の資格を取得すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。以下に、介護の資格取得のメリットを紹介します。
- 介護の仕事に必要な知識や技術を身につけることができる…介護の資格を取得することで、介護の基本から高度な内容まで、幅広く学ぶことができます。介護の現場で役立つ知識や技術を身につけることで、介護の仕事に自信を持って取り組むことができます。
- 介護の仕事に就きやすくなる…介護の資格を持っていると、就職や転職の際に有利になります。介護の資格は、介護の仕事に対する意欲や能力の証明になります。また、介護の資格があると、応募できる求人の数も増えます。
- 給与や待遇が向上する…介護の資格を持っていると、給与や待遇が向上する場合があります。介護の資格によっては、資格手当が支給されたり、昇給や昇格のチャンスが増えたりします。また、介護の資格があると、キャリアアップの可能性も広がります。
- 介護の仕事にやりがいを感じる…介護の資格を持っていると、介護の仕事にやりがいを感じることができます。介護の資格を取得することで、介護の仕事の意義や価値を深く理解することができます。また、介護の資格を持っていると、利用者や家族からの信頼や感謝を得やすくなります。
まとめ
この記事では、介護の資格取得について、以下の内容を解説しました。
- 介護の資格の種類と取得方法
- 介護職員初任者研修の内容と取得方法
- 介護職員初任者研修を無料で取得する方法
- 介護の資格取得のメリット
介護の資格は、介護の仕事に必要な知識や技術を身につけることができるだけでなく、就職や転職、給与や待遇、キャリアアップなどにも有利になります。また、介護の仕事にやりがいを感じることもできます。
介護の資格は、種類や取得方法が多様で、自分の目的や状況に合わせて選ぶことができます。介護の資格を取得することで、介護の仕事に挑戦したい方や、介護の仕事を続けたい方にとって、大きなメリットがあります。
介護の資格を取得するには、受講料や時間などのコストがかかりますが、無料で取得できる方法もあります。また、介護の資格を取得することで、将来的に得られるメリットは大きいと言えます。
介護の資格取得に興味がある方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。介護の資格を取得して、介護の仕事に活躍してください。
