介助方法とは、介護を必要とする人の身体を動かしたり、支えたりする方法のことです。介助方法を正しく行うことで、介護を必要とする人の安全や快適さを保つことができます。また、介助者自身の負担やケガのリスクを減らすこともできます。しかし、介助方法は多種多様で、覚えるのが大変だと感じることもあるでしょう。本記事では、介助方法の覚え方とそれぞれの方法のポイントを解説します。
介助方法の覚え方
介助方法の覚え方には、以下の3つの方法があります。
- イメージで覚える：介助方法の目的や効果をイメージすることで、覚えやすくなります。例えば、歩行介助では、介助者が斜め後ろから歩行介助をすることで、介護を必要とする人の転倒を防ぐことができます。このとき、介助者は介護を必要とする人の背中を守るようにイメージすると、正しい位置につくことができます。
- ルールで覚える：介助方法には、一般的なルールや原則があります。これらを覚えることで、様々な場面に対応できます。例えば、移乗介助では、介助者は介護を必要とする人の脇の下や腰を持つのではなく、手首や肘を持つことで、介護を必要とする人のバランスを崩さないようにします。このとき、介助者は「手首や肘を持つ」というルールを覚えると、どのような移乗でも適用できます。
- 練習で覚える：介助方法は、実際にやってみることで、身体で覚えることができます。練習するときは、介護を必要とする人の立場になってみることで、介助者の動きや声掛けの重要性を感じることができます。例えば、食事介助では、介助者は介護を必要とする人の口元に食べ物を運ぶタイミングや量を調整することで、誤嚥を防ぐことができます。このとき、介助者は自分が食事介助 を受けているときに、どのように食べたいかや、どのような声掛けが嬉しいかを考えると、介護を必要とする人の気持ちに寄り添うことができます。
介助方法の種類とポイント
介助方法には、食事、排泄、入浴、着替え、移乗、歩行など、日常生活のさまざまな場面で必要となるものがあります。それぞれの介助方法には、以下のようなポイントがあります。
- 食事介助：介助者は本人の隣で同じ目線の高さになるように座り、急かさず本人のペースに合わせて食事を提供する。スプーンの使い方に注意し、誤嚥を防ぐ。摂取量をチェックし、口周りや手を拭き、口腔ケアを行う。
- 排泄介助：介助者はできることは本人に任せ、必要な部分だけを手伝う。体調の変化に注意し、排泄物や皮膚の状態をチェックする。プライバシーに配慮して手早く介助する。
- 入浴介助：介助者は体調を確認し、お湯の温度を調整する。足もとからお湯をかけて体を温める。全身を洗い、浴槽に入るときは手すりを使って立ち上がりをサポートする。のぼせないように5分程度を目安に浸かる。浴槽から出るときも手すりを使って立ち上がりをサポートする。
- 着替え介助：介助者は本人の姿勢を確認し、必要に応じて座位や仰臥位に調整する。本人の服のボタンやファスナーを外し、脱ぎやすくする。本人の麻痺側の腕を服の袖から抜く。その際、肩や肘を無理に動かさないように注意する。本人の非麻痺側の腕を服の袖から抜く。その際、服を引っ張らないように注意する。本人の頭を持ち上げて、服を首から外す。本人の服を清潔に保つために、畳んで片付ける。本人の新しい服を用意し、首からかぶせる。本人の非麻痺側の腕を服の袖に通す。その際、服を引っ張らないように注意する。本人の麻痺側の腕を服の袖に通す。その際、肩や肘を無理に動かさないように注意する。本人の服のボタンやファスナーを留める。本人の服の位置やシワを整える。
- 移乗介助：介助者は本人の脇の下や肘を持って、ゆっくりと便座に座らせる。座った後は、足がしっかりと床についているか、姿勢が安定しているかを確認する。本人の脇の下や肘を持って、ゆっくりと便座から立たせる。立った後は、血圧の変化に注意し、めまいやふらつきがないかを確認する。本人の腰を持ち上げて、服をお尻から引き下ろす。本人の足を持ち上げて、服を足から外す。本人の服を清潔に保つために、畳んで片付ける。本人の新しい服を用意し、足からかぶせる。本人の腰を持ち上げて、服をお尻まで引き上げる。本人の服のボタンやファスナーを留める。本人の服の位置やシワを整える。
- 歩行介助：介助者は本人の歩行のペースやバランスを確認し、必要に応じて歩行器や杖などの補助具を用意する。本人の歩行が不安定な場合は、手を引く、手を添える、手を支えるなどの方法で歩行介助を行う。本人の歩行が安定している場合は、声掛けや見守りを行う。本人の歩行に合わせて介助者も歩く。階段や段差などの場合は、本人の前後に介助者がつき、手すりや補助具を使って安全に移動する。
まとめ
介助方法は、介護を必要とする人の安全や快適さを保つために重要なスキルです。しかし、介助方法は多種多様で、覚えるのが大変だと感じることもあるでしょう。そこで、本記事では、介助方法の覚え方とそれぞれの方法のポイントを解説しました。イメージで覚える、ルールで覚える、練習で覚えるという3つの方法を使って、介助方法を身につけましょう。また、食事、排泄、入浴、着替え、移乗、歩行という6つの主な介助方法についても、手順やポイントを確認しましょう。介助方法を正しく行うことで、介護を必要とする人の生活の質を高めるとともに、介助者自身の負担やケガのリスクを減らすことができます。
