介助とは、日常生活を送る上で必要となる行為の手助けを行うことを言います。食事、排泄、入浴、着替えなど日々の生活のあらゆる場面で必要となる基本の動作や行動をサポートすることが介助です。介助という言葉だけを聞くと、介護とよく似ています。では、介助と介護には一体どのような違いがあるのでしょうか?
介助と介護の違い
介助と介護のそれぞれには次のような意味があります。
- 介護・・・自力で日常生活を送ることが難しい方のために必要なケアや心のサポートなど、自立支援を目指した行動全般。
- 介助・・・日常生活を送る上で不可欠となる動作や行動を手助けする行為そのものを指します。直接身体に触れてサポートすることを身体的介助と言い、食事介助、排泄介助、入浴介助、寝返り介助など介護現場ではさまざまな種類の介助が行われています。
上記の意味から考えて介助は、介護の中の1つの行為として考えるとわかりやすいでしょう。
介助の種類と方法
介助にはさまざまな種類があるとお伝えしましたが、今回は実際の介護現場でよく行われている主な介助の方法をいくつかご紹介します。介助を行う際のポイントも併せてご紹介しますので、在宅介護を行う方は参考にしてください。
食事介助の方法
食事介助は、食べることが困難な方に食事を提供することです。食事介助を行う際には、誤嚥(ごえん)や食べ物の詰まりなどのリスクを防ぐために、姿勢や食べ物の量や種類、食べるペースなどに注意が必要です。食事介助の方法は、その人の状態によって異なりますが、ここでは一般的な手順とポイントを紹介します。
食事介助前の準備
- 体調を確認する
- 排泄を済ませておく
- 手を洗って清潔にする
- 口腔ケアや嚥下体操を行う
- エプロンの着用、机の拭き取りなど食事しやすい環境へと整える
- 誤嚥防止のために姿勢を整える
- 献立の説明など声かけを行う
食事介助の手順
- 最初に水分を摂り、口内を湿らせる
- 本人のペースに合わせて1口ずつ食事を提供する
- 摂取量をチェックする
- 口周りや手を拭き、口腔ケアを行う
食事介助のポイント
- ポイント1:介助者は本人の隣で同じ目線の高さになるように座る
- ポイント2:急かさず本人のペースに合わせる
- ポイント3:スプーンの使い方に注意する
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
排泄介助の方法
排泄介助は、トイレやおむつ交換などの排泄の手助けを行うことです。排泄介助を行う際には、プライバシーや自尊心に配慮するとともに、排泄物や皮膚の状態を観察して健康状態を把握することが大切です。排泄介助の方法は、その人の身体状況によって異なります。今回はトイレまで移動できる場合の介助方法について紹介します。
トイレ介助の手順
- 排泄のタイミングをうかがい、トイレへ誘導する
- ズボンと下着を下げる
- 便座に腰をかける
- 排泄する
- 拭き取ってズボンと下着を上げる
- 元の場所へ誘導する
排泄介助のポイント
- ポイント1:できることは自分でやってもらう
- ポイント2:体調の変化に注意する
- ポイント3:排泄物や皮膚の状態をチェックする
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
入浴介助の方法
入浴介助は、入浴の手助けを行うことです。入浴介助を行う際には、のぼせや転倒などのリスクを防ぐために、お湯の温度や時間、姿勢などに注意が必要です。入浴介助の方法は、その人の身体状況によって異なります。今回は自宅の浴室で入浴できる場合の介助方法について紹介します。
入浴介助前の準備
- 体調を確認する
- 排泄を済ませておく
- 脱衣所と浴室を温めておく</
入浴介助後の手順
- タオルで髪や身体を拭く
- 椅子に座り保湿剤や軟膏を塗る
- 着替えを手伝う
- バイタル測定や全身観察を行う
- 入浴記録をつける
入浴介助後のポイント
- ポイント1:湯冷めを防ぐために速やかに拭き取り、着替えさせる
- ポイント2:乾燥や皮膚トラブルを防ぐために保湿剤や軟膏を塗る
- ポイント3:入浴後の体調変化や異常をチェックする
以上が、入浴介助の一般的な方法とポイントです。ご利用者の状態や好みに合わせて、適切な入浴介助を行いましょう。詳しくはこちらやこちらの記事をご覧ください。
まとめ
介助とは、日常生活を送る上で必要となる行為の手助けを行うことです。介助は、介護の中の1つの行為として考えることができます。介助には、食事介助、排泄介助、入浴介助などさまざまな種類があります。介助を行う際には、その人の状態やニーズに合わせて、適切な方法とポイントを押さえることが大切です。介助は、その人の生活の質を高めるだけでなく、介助者とのコミュニケーションや信頼関係の構築にもつながります。介助を通して、その人の笑顔や感謝の言葉を引き出すことができれば、介助者としてのやりがいや充実感も得られるでしょう。