薬価改定とは、医療保険制度のもとで、医薬品の公的価格（薬価）を見直すことです。薬価は、医療機関や薬局で処方される医薬品の保険点数を決める基準となります。薬価が高いほど、医療費が高くなります。薬価改定は、医療費の抑制や医薬品の適正使用を促すために、定期的に行われています。
2024年4月の薬価改定のポイント
- 薬価改定のサイクルが2年から1年に短縮される。これは、新型コロナウイルス感染症の流行により、医療環境や医薬品の需要が大きく変化したことを受けて、薬価の迅速な対応を図るためです。
- 新規承認医薬品の薬価が引き下げられる。これは、新規承認医薬品の薬価が、海外の価格や他の医薬品との比較に基づいて設定されることになったためです。特に、新型コロナウイルス感染症の治療薬やワクチンなどの緊急性の高い医薬品については、薬価の引き下げ幅が大きくなる可能性があります。
- 後発医薬品（ジェネリック医薬品）の普及促進策が強化される。これは、後発医薬品の使用率を高めることで、医療費の削減や医薬品の安定供給を図るためです。具体的には、後発医薬品の薬価を引き上げたり、先発医薬品の薬価を引き下げたりすることで、後発医薬品の価格差を拡大することが予定されています。
薬価改定の影響は？
薬価改定により、医療機関や薬局、患者さん、医薬品メーカーなど、さまざまな関係者に影響が出ます。以下に、主な影響を示します。
- 医療機関や薬局：薬価改定により、医療機関や薬局の収入が減少する可能性があります。特に、新規承認医薬品や先発医薬品を多く使用する医療機関や薬局は、薬価の引き下げにより大きな打撃を受ける可能性があります。一方で、後発医薬品を多く使用する医療機関や薬局は、薬価の引き上げにより収入が増加する可能性があります。医療機関や薬局は、薬価改定に応じて、医薬品の選択や在庫管理などを見直す必要があります。
- 患者さん：薬価改定により、患者さんの自己負担額が変わる可能性があります。特に、新規承認医薬品や先発医薬品を使用する患者さんは、薬価の引き下げにより自己負担額が減少する可能性があります。一方で、後発医薬品を使用する患者さんは、薬価の引き上げにより自己負担額が増加する可能性があります。患者さんは、医師や薬剤師と相談して、自分に合った医薬品を選択する必要があります。
- 医薬品メーカー：薬価改定により、医薬品メーカーの収益が変わる可能性があります。特に、新規承認医薬品や先発医薬品を開発・販売する医薬品メーカーは、薬価の引き下げにより収益が減少する可能性があります。一方で、後発医薬品を開発・販売する医薬品メーカーは、薬価の引き上げにより収益が増加する可能性があります。医薬品メーカーは、薬価改定に応じて、開発戦略や販売戦略などを見直す必要があります。
まとめ
薬価改定とは、医療保険制度のもとで、医薬品の公的価格を見直すことです。薬価改定は、医療費の抑制や医薬品の適正使用を促すために、定期的に行われています。2024年4月に行われる薬価改定では、薬価改定のサイクルが短縮されたり、新規承認医薬品の薬価が引き下げられたり、後発医薬品の普及促進策が強化されたりすることが予定されています。薬価改定により、医療機関や薬局、患者さん、医薬品メーカーなど、さまざまな関係者に影響が出ます。薬価改定に関する最新情報は、厚生労働省のホームページや、日本医薬品卸売業連合会のホームページなどで確認できます。
参照: 厚生労働省, 日本医薬品卸売業連合会
