介護人材確保の制度とは、国と地域が二人三脚で、「参入促進」「資質の向上」「労働環境・処遇の改善」を進めるための対策に総合的・計画的に取り組むこととしている制度です。介護保険事業計画は、この制度の具体的な実施計画であり、各市町村が介護サービスの見込み量や介護人材の必要数を推計し、都道府県がそれらを集計して策定します。この記事では、介護人材確保の制度と介護保険事業計画の概要やポイントを解説します。
介護人材確保の制度の背景と目的
介護人材確保の制度は、2025年に向けて高齢者の増加や介護ニーズの多様化に対応するために必要な介護人材を量と質の両面から確保することを目的としています。介護人材は、高齢者や障害者の日常生活を支える重要な役割を担っており、その資質の向上や労働環境の改善は、介護サービスの質の向上や利用者の満足度の向上にもつながります。しかし、介護人材は、離職率が高く、不足が深刻な状況にあります。そのため、国と地域が連携して、介護人材の確保に取り組む必要があります。
介護保険事業計画とは？
介護保険事業計画とは、介護人材確保の制度の具体的な実施計画であり、3年ごとに策定されます。介護保険事業計画では、各市町村が介護サービスの見込み量や介護人材の必要数を推計し、都道府県がそれらを集計して、介護人材の確保に向けた取り組みや目標を設定します。介護保険事業計画は、介護サービスの供給と需要のバランスをとるための重要な指標となります。
第8期介護保険事業計画のポイント
現在、第8期介護保険事業計画が策定されており、2021年度から2023年度までの3年間を対象としています。第8期介護保険事業計画のポイントは以下のとおりです。
- 2023年度には約233万人、2025年度には約243万人、2040年度には約280万人の介護人材を確保する必要があると推計されています。これは、2019年度の約211万人に比べて、2023年度までに約22万人、2025年度までに約32万人、2040年度までに約69万人の介護人材を増やすことを意味します。
- 介護人材の確保に向けて、国と地域が二人三脚で、「参入促進」「資質の向上」「労働環境・処遇の改善」を進めるための対策に総合的・計画的に取り組むこととしています。具体的には、介護職員の処遇改善、多様な人材の確保・育成、離職防止・定着促進・生産性向上、介護職の魅力向上、外国人材の受入環境整備などの施策を実施します。
- 介護人材の資質の向上に向けて、介護福祉士の国家試験義務付けの経過措置の延長や、介護に関する入門的研修の実施、人材育成等に取り組む介護事業者の認証評価制度の導入、介護現場における多様な働き方導入モデル事業の実施などの取り組みを行います。
まとめ
介護人材確保の制度とは、国と地域が二人三脚で、「参入促進」「資質の向上」「労働環境・処遇の改善」を進めるための対策に総合的・計画的に取り組むこととしている制度です。介護保険事業計画は、この制度の具体的な実施計画であり、3年ごとに策定されます。現在、第8期介護保険事業計画が策定されており、2023年度には約233万人、2025年度には約243万人、2040年度には約280万人の介護人材を確保する必要があると推計されています。介護人材の確保に向けて、国と地域が連携して、様々な取り組みを行っています。
参考文献
- [介護人材確保に向けた取組について ｜ 厚生労働省｜厚生労働省](https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_02977.html)
- [2021 4 1 介護人材の確保、介護現場の生産性向上の推進につい ...](https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001001183.pdf)
- [第7期介護保険事業計画に基づく介護人材の必要数について](https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000207323_00005.html?a8=RJ48fJ1ypSEt45E0-3EDUb5rFwbf-w5oHyNcL4iXm7UE60lrg0lXq045gtm0Ga4RmJj5p0lC8uWKxs00000002184001)
