介護職による殺人事件はなぜ起こるのでしょうか?そこには幾つもの要因が潜んでおり、介護職個人の責任だけで済む問題ではありません。本記事では、介護職による殺人事件の背景にある介護現場が抱える問題を、これまでの事件をもとに解説していきます。自分自身が働く職場と照らし合わせながら、環境改善の参考にしてみてください。
介護職による殺人事件はなぜ起こるのか?
- 虐待の発生要因として、虐待者の性格や人格、利用者の認知症の症状、介護疲れ・介護ストレスなどが挙げられる[1]。
- 人は誰しもイライラしたりカッとなる場面がありますが、大切なのは感情をコントロールできるかということです。自分がどういった人間なのかを自分自身が理解しておくことが重要です。
- 利用者の状態を把握し適切なケアが分かっていれば、介護職も余裕を持って対応しやすくなります。しかし、利用者に関する情報や介護のスキルが乏しければ、余裕がなくなり感情的にもイライラしやすくなるでしょう。
- ストレスをなくすのではなく、ストレスとどう向き合い適切に発散することが大切です。例えば、介護職同士の人間関係を良好に保つことや、プライベートでリラックスできる趣味や運動習慣などを持つといいでしょう。
介護職による殺人事件のニュースを紹介
- 以下の施設でこれまでに起きた介護職による殺人事件を振り返っていきましょう。
- 特別養護老人ホーム「浮間こひつじ園」[2]:利用者から「バカ」と言われた介護職員が暴行に及んだ。
- 特別養護老人ホーム「つつじの里」[3]:点滴チューブからシリンジを使い空気を注入する手口で2人の利用者を殺害した介護職員が逮捕された。
- 介護老人保健施設「けやきの舎(いえ)」[4]:10年以上の介護の末、認知症の母を息子が殺害した。
- それぞれどのような背景があったかを知り、介護業界の課題を見つける参考にしてみてください。
介護職による殺人事件をなくすために必要なことは?
- 介護職による殺人事件を防ぐためには、以下のような対策が必要と考えられます。
- 利用者と介護職の関係性の悪化に早期に気づき、担当部署の変更や第三者の介入などを行う。
- 利用者に関する情報共有の徹底と、適切な介護スキルを維持できる教育環境の整備。
- 介護職のメンタルヘルスのケアと、ストレス発散の方法の提供。
- 介護職の処遇改善と、働きやすい環境の創出。
まとめ
介護職による殺人事件は、介護現場が抱える多くの問題の結果として起こります。介護職個人だけでなく、施設や行政、社会全体で介護の質を向上させることが必要です。介護職の皆さんも、自分の感情やストレスをコントロールできるように、自分自身のことを理解し、適切なサポートを受けることを忘れないでください。
参考文献