白癬とは、白癬菌という真菌（カビ）による皮膚感染症の総称です。足に起こる水虫が有名ですが、白癬菌は足以外の部位にも感染し、さまざまな症状を引き起こします。この記事では、白癬の種類や原因、症状、診断方法、治療法などを詳しく解説します。また、白癬の予防や対策についても紹介します。白癬に悩んでいる方や、白癬について知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
白癬の種類と特徴
白癬は、感染する部位によって以下のように分類されます。
- 足白癬（水虫）：足の指の間や足の裏、爪などに感染する白癬です。日本人の約5人に1人が感染していると言われています[^1^][1]。かゆみや水ぶくれ、皮むけ、臭いなどの症状があります。
- 手白癬（手の水虫）：手の指の間や手のひら、爪などに感染する白癬です。足白癬に比べて発症率は低いですが、重症化しやすいと言われています[^2^][2]。かゆみや水ぶくれ、皮むけ、ひび割れなどの症状があります。
- 頭部白癬（しらくも）：頭皮や髪の毛に感染する白癬です。乳児や幼児に多く見られます[^3^][3]。かゆみや脱毛、白いふけ状のものなどの症状があります。
- 体部白癬（たむし）：顔や体、腕、脚などの皮膚に感染する白癬です。コンタクトスポーツを行う人に多く見られます[^4^][4]。かゆみや赤み、びらん、かさぶたなどの症状があります。
- 股部白癬（いんきんたむし）：性器周辺や股の皮膚に感染する白癬です。男性に多く見られます[^5^][5]。かゆみや赤み、びらん、かさぶたなどの症状があります。
白癬の種類によって症状や治療法が異なるので、自分がどの種類の白癬に感染しているかを正しく判断することが大切です。白癬の診断は、皮膚科医が皮膚や爪、毛の一部を採取して顕微鏡で観察することで行われます。自己診断や市販の薬での治療は、症状を悪化させたり、他の部位や他の人に感染させたりする恐れがあるので、避けるべきです。
白癬の原因と感染経路
白癬の原因は、白癬菌という真菌（カビ）です。白癬菌は、ケラチンというタンパク質を栄養にしています。ケラチンは、皮膚や爪、毛などに含まれているので、白癬菌はこれらの部位に住み着きやすいのです。白癬菌は、湿度や温度が高く、通気性が悪い環境を好むので、靴や靴下、手袋などの中に繁殖しやすいです。
白癬菌は、直接接触や間接接触によって感染します。直接接触とは、白癬に感染した人や動物と肌や毛髪などが触れ合うことです。間接接触とは、白癬に感染した人や動物が使用したものに触れることです。例えば、以下のような場面で白癬菌に感染する可能性があります。
- 白癬に感染した人や動物とハグしたり、握手したりする
- 白癬に感染した人や動物が使用したタオルや衣類、寝具などを共用する
- 白癬に感染した人や動物が使用したスリッパや靴、靴下などを履く
- 白癬に感染した人や動物が使用した櫛やブラシ、ヘアアクセサリーなどを使う
- 白癬に感染した人や動物が使用したスポーツ用具や器具などに触れる
- 白癬に感染した人や動物が入浴した公衆浴場やプールなどに入る
白癬菌に感染すると、必ずしも白癬の症状が出るとは限りません。白癬菌は、皮膚の表面に住み着いても、皮膚のバリア機能や免疫力によって抑え込まれることがあります。しかし、皮膚に傷がついたり、乾燥したり、汗をかいたり、免疫力が低下したりすると、白癬菌が増殖しやすくなり、白癬の症状が出ることがあります。白癬は、早期に適切な治療を行わないと、長期化したり、重症化したり、再発したりする恐れがあるので、注意が必要です。
白癬の治療法と期間
白癬の治療法は、感染部位や症状の程度によって異なりますが、一般的には、外用薬や内服薬などの抗真菌薬を用いて行われます。外用薬は、クリームや液体、スプレーなどの形で、感染部位に塗布します。内服薬は、錠剤やカプセルなどの形で、飲みます。外用薬と内服薬を併用することもあります。白癬の治療には、医師の指示に従って、定期的に、継続的に、正しく薬を使用することが重要です。
白癬の治療期間は、感染部位や症状の程度によって異なりますが、一般的には、以下のようになります。
- 足白癬（水虫）：外用薬で約2～4週間、内服薬で約2～3週間
- 手白癬（手の水虫）：外用薬で約4～8週間、内服薬で約2～3週間
- 頭部白癬（しらくも）：外用薬で約4～8週間、内服薬で約4～8週間
- 体部白癬（たむし）：外用薬で約2～4週間、内服薬で約2～4週間
- 股部白癬（いんきんたむし）：外用薬で約2～4週間、内服薬で約2～4週間
白癬の治療期間は、個人差や治療効果によって変わることがあります。治療中に症状が改善しても、治療を中止したり、薬の量や回数を減らしたりすると、白癬菌が残って再発する可能性があります。治療を完了するまで、医師の指示に従って、薬を使用し続けることが大切です。
白癬の予防と対策
白癬の予防と対策には、以下のようなことが有効です。
- 白癬に感染した人や動物との接触を避ける
- 白癬に感染した人や動物が使用したものを共用しない
- 白癬に感染した人や動物が入浴した公衆浴場やプールなどに入らない
- 白癬に感染した部位を清潔に保ち、乾燥させる
- 白癬に感染した部位をかかないようにする
- 白癬に感染した部位を他の部位や他の人に触れさせない
- 白癬に感染した部位に合った薬を使用する
- 白癬に感染した部位に刺激を与えないようにする
- 白癬に感染した部位を隠すために、密閉するようなものを使用しない
- 白癬に感染した部位を日光に当てる（紫外線は白癬菌の増殖を抑える効果がある）
- 皮膚のバリア機能や免疫力を高めるために、栄養バランスの良い食事や十分な睡眠、適度な運動などを心がける
白癬は、早期に適切な治療を行えば、完治することができます。しかし、白癬は、長期化したり、重症化したり、再発したりする恐れがあるので、注意が必要です。白癬に感染したら、自己診断や市販の薬での治療はせずに、できるだけ早く皮膚科医に相談しましょう。また、白癬の予防や対策にも努めましょう。白癬は、誰でも感染する可能性があるので、自分だけでなく、周りの人や動物の健康にも気を配りましょう。
白癬に関する意外な情報
白癬に関する意外な情報として、以下のようなものがあります。
- 白癬は、古代から知られている病気で、聖書や古代エジプトのパピルスにも記述があります
- 白癬は、日本では「白癬」と呼ばれますが、英語では「ringworm」と呼ばれます。これは、白癬の症状が、輪状に赤くはれることから、昔は虫によるものと考えられていたためです
- 白癬は、人だけでなく、犬や猫などの動物にも感染します。特に、猫は白癬菌の保菌率が高く、無症候性の場合も多いので、注意が必要です
- 白癬は、感染部位によっては、性感染症と間違われることがあります。例えば、股部白癬は、性器周辺に発症することが多いので、梅毒や淋病などの性感染症と混同されることがあります
- 白癬は、感染部位によっては、がんと間違われることがあります。例えば、爪白癬は、爪が変色したり、変形したりすることがあるので、爪のメラノーマと混同されることがあります
- 白癬は、治療によっては、色素沈着や白斑などの後遺症を残すことがあります。特に、頭部白癬は、毛包が破壊されると、脱毛が永久的になることがあります
白癬は、古くからある病気で、人や動物に感染する可能性があります。白癬に感染したら、早めに皮膚科医に相談し、適切な治療を受けましょう。また、白癬の予防や対策にも努めましょう。白癬は、自分の健康だけでなく、周りの人や動物の健康にも影響を与えるので、注意が必要です。
