介助方法の評価とは、介護の手間を測るために行われる調査のことです。介助方法の評価によって、利用者の要介護度や介護サービスの内容が決まります。介助方法の評価は、厚生労働省が定めた基準と調査項目に基づいて行われます。
この記事では、介助方法の評価の目的と意義、厚生労働省の基準と調査項目、調査の流れと注意点などをわかりやすく解説します。介助方法の評価を正しく理解して、介護の質を高めるだけでなく、介護士の負担やケガを防ぐことができるようにしましょう。
介助方法の評価の目的と意義
介助方法の評価の目的は、介護の手間を測ることです。介護の手間とは、利用者にかかる介護の時間や労力のことです。介護の手間は、利用者の身体状況やニーズ、介助者の体力や技術、転移先や周囲の環境などによって変わります。
介助方法の評価の意義は、介護の手間に応じた介護サービスの提供や介護士の負担軽減につながることです。介助方法の評価によって、利用者の要介護度や介護サービスの内容が決まります。要介護度とは、介護の手間に基づいて設定される介護の必要度のことです。要介護度は、要介護1から要介護5までの5段階に分かれています。要介護度が高いほど、介護の手間が多くなります。介護サービスの内容とは、介護保険制度のもとで利用できる介護サービスの種類や範囲のことです。介護サービスの内容は、利用者の要介護度や介護計画に基づいて決まります。介護サービスの内容が適切であれば、利用者の生活の質を高めることができます。
介助方法の評価は、介護士の負担やケガを防ぐことにも役立ちます。介助方法の評価によって、介護士がどのような介助をすべきか、どのような福祉用具を使えばいいか、どのような姿勢や動作をとればいいかなどが明確になります。介助方法の評価は、介護士のボディメカニクスを意識したり、声掛けを忘れなかったり、周囲にも気を配ったりすることを促します。これらのことは、介護士の腰痛や肩こり、転倒や挟まれなどのケガを防ぐことにつながります。
厚生労働省の基準と調査項目
介助方法の評価は、厚生労働省が定めた基準と調査項目に基づいて行われます。基準とは、介助方法の評価の方法や内容を規定したものです。調査項目とは、介助方法の評価の対象となる項目です。調査項目は、身体機能、生活機能、認知能力、精神・行動障害、社会生活の適応の5つの分野に分けられています。調査項目は、合計で55項目あります。
厚生労働省の基準と調査項目は、以下のようになっています。
- 基準
- 介助方法の評価は、認定調査員が実施する。
- 介助方法の評価は、利用者の自宅や施設などで行う。
- 介助方法の評価は、利用者の同意を得た上で行う。
- 介助方法の評価は、利用者の状態やニーズに応じて、必要な調査項目を選択する。
- 介助方法の評価は、調査項目ごとに選択肢を選ぶ。
- 介助方法の評価は、選択肢の選択に加えて、特記事項に記載する。
- 介助方法の評価は、選択肢の選択と特記事項の記載に基づいて、介護の手間を評価する。
- 調査項目
- 身体機能
- 麻痺等の有無
- 拘縮の有無
- 寝返り
- 起き上がり
- 座位保持
- 両足での立位保持
- 歩行
- 立ち上がり
- 片足での立位
- 洗身
- つめ切り
- 視力
- 聴力
- 生活機能
- 移乗
- 移動
- えん下
- 食事摂取
- 排尿
- 排便
- 口腔清潔
- 洗顔
- 整髪
- 上衣の着脱
- ズボン等の着脱
- 外出頻度
- 認知能力
- 日時認識
- 場所認識
- 人物認識
- 言語理解
- 言語表現
- 計算能力
- 判断能力
- 記憶力
- 精神・行動障害
- 不安・恐怖
- 抑うつ
- 幻覚・妄想
- 興奮・攻撃性
- 徘徊
- 睡眠障害
- 食欲障害
- 性的行動
- 社会生活の適応
- 薬の内服
- 金銭の管理
- 電話の使用
- 交通機関の利用
- 買い物
- 簡単な調理
- 家事
- 趣味・娯楽
- 身体機能
以上が、介助方法の評価とは?厚生労働省の基準と調査項目を解説した記事です。介助方法の評価は、介護の手間を測る重要な調査です。介助方法の評価を正しく理解して、介護の質を高めるだけでなく、介護士の負担やケガを防ぐことができるようにしましょう。