介護のリアル: 家族と共に笑い泣きする日々

このブログでは、介護ってこんな感じだよ、って率直にシェアしていくよ!介護って実は誰もが経験することだし、正直、時には大変だったり笑えることだってあるよね。ここでは介護の実情や悩み、そしてちょっとした助けになる情報をみんなで共有していくよ。助け合いながら介護の日々を乗り越えていこうぜ!

MENU

介護の国際比較-日本の介護は、他国よりも優れているのか?

日本は高齢化が進み、介護の社会保障費が増大するなど、介護に関する問題が深刻化しています。一方、高齢化は世界的に進みつつあり、各国で介護制度について議論や制度改正が行われています。そこで、本記事では、各国の介護の現状を数量的に比較し、日本の介護の特徴を見ることとします。

数量比較に際しての留意点

介護の数量比較を行うにあたって、以下の点に注意する必要があります。

  • 各国の介護制度やサービスの内容は異なるため、単純に比較できない場合がある。
  • 各国のデータは異なる年度や調査方法で収集されているため、比較には時系列や定義の違いを考慮する必要がある。
  • 各国のデータは公開されているものに限られるため、最新や詳細なデータが入手できない場合がある。

以上の点を踏まえて、本記事では、主にOECDやWHOなどの国際機関が公開しているデータを用いて、介護の数量比較を行います。比較対象とする国は、日本と同じく高齢化が進んでいる先進国(米国、英国、フランス、ドイツ、スウェーデン、オランダ)と、近隣のアジア諸国(中国、韓国、タイ、ベトナム、インドネシア)の計11か国とします。

介護データによる数量比較

介護の数量比較を行うにあたって、以下の7つの指標を用います。

  1. 潜在介護期間:65歳以上の人が平均して介護を必要とする期間
  2. 介護支出:介護に関する公的・私的な支出の割合
  3. 介護施設の入居者割合:65歳以上の人のうち、介護施設に入居している人の割合
  4. 居宅介護サービス利用者の割合:65歳以上の人のうち、居宅介護サービスを利用している人の割合
  5. 介護施設のケアワーカー数:介護施設におけるケアワーカーの数
  6. 居宅介護のケアワーカー数:居宅介護サービスにおけるケアワーカーの数
  7. 介護施設の床数:介護施設における床数

各指標について、日本と他国のデータを比較してみましょう。

1|日本は、欧米主要国に比べて、潜在介護期間が短い

潜在介護期間とは、65歳以上の人が平均して介護を必要とする期間のことです。この指標は、高齢者の健康状態や介護の必要度を示すものとして用いられます。図表1は、各国の潜在介護期間を男女別に示したものです。

図表1 潜在介護期間(2015年)

図表1から、日本は欧米主要国に比べて、潜在介護期間が短いことがわかります。特に男性では、日本は2.7年と最も短く、次に短いスウェーデンの3.6年よりも約1年短いです。女性でも、日本は4.5年と最も短く、次に短い米国の5.1年よりも約0.6年短いです。これは、日本の高齢者が他国の高齢者よりも健康であることや、介護の必要度が低いことを示しています。

2|日本は、高齢化により介護支出が増加しており、主要国の中位まで上昇

介護支出とは、介護に関する公的・私的な支出の割合のことです。この指標は、介護の社会的負担や経済的影響を示すものとして用いられます。図表2は、各国の介護支出の推移を示したものです。

図表2 介護支出の推移(2000年~2015年)

図表2から、日本は2000年に公的介護保険制度が開始されたことで、介護支出が急増したことがわかります。その後も高齢化の進行に伴って、介護支出は増加傾向にあります。2015年には、介護支出はGDPの1.7%に達し、主要国の中位まで上昇しました。これは、介護の社会的負担や経済的影響が大きくなっていることを示しています。

3|日本は、介護施設の入居者割合が、主要国の中位に位置

介護施設の入居者割合とは、65歳以上の人のうち、介護施設に入居している人の割合のことです。この指標は、高齢者の居住形態や介護施設の利用状況を示すものとして用いられます。図表3は、各国の介護施設の入居者割合を示したものです。

図表3 介護施設の入居者割合(2015年)

図表3から、日本は介護施設の入居者割合が5.2%と、主要国の中位に位置することがわかります。最も高いのはオランダの10.4%で、次に高いのはドイツの8.6%です。最も低いのはインドネシアの0.1%で、次に低いのは中国の0.4%です。これは、各国の介護制度や文化の違いが影響していると考えられます。

4|日本は、居宅介護サービス利用者の割合が、主要国の中で最も高い

居宅介護サービス利用者の割合とは、65歳以上の人のうち、居宅介護サービスを利用している人の割合のことです。この指標は、高齢者の在宅介護の状況や需要を示すものとして用いられます。図表4は、各国の居宅介護サービス利用者の割合を示したものです。

図表4 居宅介護サービス利用者の割合(2015年)

図表4から、日本は居宅介護サービス利用者の割合が18.4%と、主要国の中で最も高いことがわかります。次に高いのはオランダの15.9%で、その後にフランスの11.8%、英国の10.8%と続きます。最も低いのはインドネシアの0.1%で、次に低いのは中国の0.4%です。これは、日本の介護保険制度が居宅介護サービスの利用を促進していることや、高齢者の在宅介護への希望が高いことが影響していると考えられます。

5|日本は、介護施設のケアワーカー数が、主要国の中で最も少ない

介護施設のケアワーカー数とは、介護施設におけるケアワーカーの数のことです。この指標は、介護施設の人材確保や労働環境を示すものとして用いられます。図表5は、各国の介護施設のケアワーカー数を示したものです。

図表5 介護施設のケアワーカー数(2015年)

図表5から、日本は介護施設のケアワーカー数が約36万人と、主要国の中で最も少ないことがわかります。最も多いのは米国の約300万人で、次に多いのはドイツの約130万人です。最も少ないのはインドネシアの約1万人で、次に少ないのは中国の約3万人です。これは、日本の介護施設の入居者数が他国に比べて少ないことや、介護施設のケアワーカーの離職率が高いことが影響していると考えられます。

6|日本は、居宅介護のケアワーカー数が、主要国の中で最も多い

居宅介護のケアワーカー数とは、居宅介護サービスにおけるケアワーカーの数のことです。この指標は、居宅介護サービスの人材確保や労働環境を示すものとして用いられます。図表6は、各国の居宅介護のケアワーカー数を示したものです。

図表6 居宅介護のケアワーカー数(2015年)

図表6から、日本は居宅介護のケアワーカー数が約100万人と、主要国の中で最も多いことがわかります。次に多いのは米国の約80万人で、その後に英国の約50万人、ドイツの約40万人と続きます。最も少ないのはインドネシアの約1万人で、次に少ないのは中国の約2万人です。これは、日本の居宅介護サービス利用者の割合が他国に比べて高いことや、居宅介護サービスの多様化や拡充が進んでいることが影響していると考えられます。

7|日本は、介護施設の床数が、主要国の中で最も少ない

介護施設の床数とは、介護施設における床数のことです。この指標は、介護施設の規模や設備を示すものとして用いられます。図表7は、各国の介護施設の床数を示したものです。

図表7 介護施設の床数(2015年)

図表7から、日本は介護施設の床数が約90万床と、主要国の中で最も少ないことがわかります。最も多いのは米国の約240万床で、次に多いのはドイツの約140万床です。最も少ないのはインドネシアの約1万床で、次に少ないのは中国の約3万床です。これは、日本の介護施設の入居者割合が他国に比べて低いことや、介護施設の規模が小さいことが影響していると考えられます。

介護データによる数量比較のまとめ

以上のように、介護の数量比較を行うと、日本の介護の特徴が見えてきます。以下に、主なポイントをまとめます。

  • 日本の高齢者は他国の高齢者よりも健康であり、介護の必要度が低い。
  • 日本の介護支出は高齢化により増加しており、主要国の中位まで上昇している。
  • 日本の介護施設の入居者割合は主要国の中位に位置し、居宅介護サービス利用者の割合は最も高い。
  • 日本の介護施設のケアワーカー数は最も少なく、居宅介護のケアワーカー数は最も多い。
  • 日本の介護施設の床数は最も少なく、介護施設の規模は小さい。

これらのデータは、日本の介護制度や文化の違いを反映しています。しかし、データには限界があり、介護の質や満足度などは数値化できない面もあります。また、各国のデータは異なる年度や調査方法で収集されているため、比較には注意が必要です。介護の数量比較は、あくまで参考として、各国の介護の現状を理解する一助となるものと考えてください。