トイレ介助は、介護の中でも最もプライベートな部分に関わるため、利用者の尊厳や自立を守ることが大切です。しかし、トイレ介助は簡単なようで難しいものです。利用者の状態や好みに応じて、適切な手順やコツを知っておく必要があります。また、利用者のプライバシーや尊厳を守るためにも、配慮が欠かせません。
この記事では、トイレ介助の基本的な方法と手順、気をつけたいポイントをそれぞれまとめました。トイレ介助をする際には、ぜひ参考にしてみてください。
トイレ介助のポイント
トイレ介助をする際には、以下の6つのポイントに注意しましょう。
- 自尊心に配慮する
- プライバシーを確保する
- できることは自分でやってもらう
- 転倒事故に注意する
- 排泄のサイクルを把握する
- 急かしたり責めたりしない
それぞれのポイントについて、詳しく見ていきましょう。
自尊心に配慮する
トイレ介助は、利用者の自尊心を傷つけやすい介護の一つです。利用者は、自分で排泄できないことに恥ずかしさや情けなさを感じていることが多いです。そのため、介護者は、利用者の気持ちを察してあげることが大切です。
自尊心に配慮するためには、以下のようなことに気をつけましょう。
- 排泄物の量や臭いに関する話はしない
- 失敗したときは責めない
- 表情や視線で不快感を示さない
- 排泄物を観察するときはさりげなく行う
プライバシーを確保する
トイレ介助は、利用者のプライバシーに関わる介護の一つです。利用者は、他人に体を見られたり触られたりすることに不快感や恥ずかしさを感じることがあります。そのため、介護者は、利用者のプライバシーを守ることが大切です。
プライバシーを確保するためには、以下のようなことに気をつけましょう。
- タオルやブランケットで体を覆う
- 目線を外す
- 声を控えめにする
- ドアを閉める
- カーテンやついたてを使う
できることは自分でやってもらう
トイレ介助は、利用者の自立を促すことができる介護の一つです。利用者は、できるだけ自分で排泄をすることが望ましいです。そのため、介護者は、利用者の自力でできることは任せることが大切です。
できることは自分でやってもらうためには、以下のようなことに気をつけましょう。
- トイレに行きたいかどうかを確認する
- トイレまでの移動や立ち座りをサポートする
- 衣服の脱ぎ着や清拭を手伝う
- 励ましやほめ言葉をかける
転倒事故に注意する
トイレ介助は、利用者の転倒事故を防ぐことができる介護の一つです。利用者は、トイレに行くときや便座に座るときにバランスを崩して転倒することがあります。そのため、介護者は、利用者の安全を確保することが大切です。
転倒事故に注意するためには、以下のようなことに気をつけましょう。
- 滑りやすい履物は避ける
- 手すりやひじ掛けを使う
- 段差や障害物を解消する
- 介護者が体を支える
排泄のサイクルを把握する
トイレ介助は、利用者の排泄のサイクルを把握することができる介護の一つです。利用者は、普段の排泄のタイミングを知っておくことで、トイレに行きたいときに行けるようになります。そのため、介護者は、利用者の排泄のサイクルを把握することが大切です。
排泄のサイクルを把握するためには、以下のようなことに気をつけましょう。
- 排泄の記録をつける
- トイレに行きたいサインを見逃さない
- トイレに誘導するタイミングを決める
- 排泄物の状態を観察する
急かしたり責めたりしない
トイレ介助は、利用者の心理的な負担を減らすことができる介護の一つです。利用者は、トイレに行くときや排泄するときに、介護者に急かされたり責められたりすると、ストレスや不安を感じることがあります。そのため、介護者は、利用者のペースに合わせてあげることが大切です。
急かしたり責めたりしないためには、以下のようなことに気をつけましょう。
- トイレに行くときはゆとりを持って行動する
- 排泄に時間がかかるときは待ってあげる
- 失敗したときは優しく声かけをする
- 排泄ができたときは褒めてあげる
トイレ介助の手順
トイレ介助の手順は、以下の通りです。
- トイレに行きたい意思を確認する
- トイレに移動する
- トイレに入る
- トイレに座る
- 排泄する
- トイレから立ち上がる
- トイレから出る
- トイレの後片付けをする
それぞれの手順について、詳しく見ていきましょう。
トイレに行きたい意思を確認する
トイレに行きたい意思を確認するとは、利用者がトイレに行きたいかどうかを聞くことです。利用者は、言葉や身振りや表情でトイレに行きたいサインを出すことがあります。そのサインを見逃さないようにしましょう。
トイレに行きたい意思を確認するためには、以下のようなことに気をつけましょう。
- 利用者の排泄のサイクルを把握しておく
- 利用者のトイレに行きたいサインを覚えておく
- 利用者にトイレに行きたいかどうかを聞く
- 利用者の意思を尊重する
トイレに移動する
トイレに移動するとは、利用者をトイレまで連れて行くことです。利用者は、歩行や移乗が困難な場合があります。そのため、介護者は、利用者の安全を確保することが大切です。
トイレに移動するためには、以下のようなことに気をつけましょう。
- トイレの場所や距離を確認する
- 移動に必要な道具や人員を準備する
- 利用者の体の動きに合わせて移動する
- 転倒事故に注意する
トイレに入る
トイレに入るとは、利用者をトイレの中に案内することです。利用者は、トイレの中に入るときに不安や恥ずかしさを感じることがあります。そのため、介護者は、利用者のプライバシーや尊厳を守ることが大切です。
トイレに入るためには、以下のようなことに気をつけましょう。
- トイレの状態を確認する
- 利用者にトイレの使い方を説明する
- 利用者に声かけをしながらトイレに入る
- ドアを閉める
トイレに座る
トイレに座るとは、利用者を便座に座らせることです。利用者は、便座に座るときにバランスを崩して転倒することがあります。そのため、介護者は、利用者の安全を確保することが大切です。
トイレに座るためには、以下のようなことに気をつけましょう。
- 便座の高さや温度を調整する
- 利用者の衣服を脱がせる
- 利用者の体を支えながら便座に座らせる
- 利用者の姿勢を安定させる
排泄する
排泄するとは、利用者がトイレで用を足すことです。利用者は、排泄するときに時間がかかったり、できなかったりすることがあります。そのため、介護者は、利用者のペースに合わせてあげることが大切です。
排泄するためには、以下のようなことに気をつけましょう。
- 利用者に排泄の意思を確認する
- 利用者に排泄の方法を説明する
- 利用者に排泄の時間を与える
- 利用者に排泄の状態を聞く
トイレから立ち上がる
トイレから立ち上がるとは、利用者を便座から立たせることです。利用者は、便座から立ち上がるときにバランスを崩して転倒することがあります。そのため、介護者は、利用者の安全を確保することが大切です。
トイレから立ち上がるためには、以下のようなことに気をつけましょう。
- 利用者の衣服を着せる
- 利用者の体を清拭する
- 利用者の体を支えながら便座から立たせる
- 利用者の姿勢を安定させる
トイレから出る
トイレから出るとは、利用者をトイレの外に案内することです。利用者は、トイレから出るときに不安や恥ずかしさを感じることがあります。そのため、介護者は、利用者のプライバシーや尊厳を守ることが大切です。
トイレから出るためには、以下のようなことに気をつけましょう。
- 利用者に声かけをしながらトイレから出る
- ドアを開ける
- トイレの状態を確認する
- 利用者を元の場所に移動する
トイレの後片付けをする
トイレの後片付けをするとは、トイレの清掃や消毒をすることです。利用者は、トイレを汚したり、臭いを残したりすることがあります。そのため、介護者は、トイレの衛生を保つことが大切です。
トイレの後片付けをするためには、以下のようなことに気をつけましょう。
- トイレの便座や便器を拭く
- トイレの床や壁を拭く
- トイレの消臭剤や芳香剤を使う
- トイレのゴミを捨てる
まとめ
トイレ介助の基本的な方法と手順、気をつけたいポイントをそれぞれまとめました。トイレ介助は、介護の中でも最もプライベートな部分に関わるため、利用者の尊厳や自立を守ることが大切です。しかし、トイレ介助は簡単なようで難しいものです。利用者の状態や好みに応じて、適切な手順やコツを知っておく必要があります。また、利用者のプライバシーや尊厳を守るためにも、配慮が欠かせません。
トイレ介助の方法をマスターして、利用者に快適なトイレを提供しましょう。
