ベッドから車いすへの移乗は、介護の現場でよく行われる作業ですが、正しい方法を知らないと、利用者や介助者にとって負担や危険が大きくなります。この記事では、ベッドから車いすへの移乗のポイントと注意点を解説します。
移乗の前にすること
移乗の前には、以下のことを必ず行ってください。
- 車いすの点検をする。ブレーキやタイヤ、座席などが正常に動作するか確認する。
- 車いすの位置を調整する。ベッドの横に45度の角度で近づける。アームサポートやフットサポートは上げておく。
- ベッドの高さを調整する。車いすよりも少し高くなるようにする。利用者の足の裏が床につくか確認する。
- 利用者に移乗の意思を伝える。移乗の手順やタイミングを説明し、同意を得る。
移乗の手順
移乗の手順は、以下の通りです。
- 利用者をベッドの端に浅く座らせる。利用者の膝と肘を支点にして、てこの原理で上体を起こす。
- 利用者の上半身を車いすの方に向ける。介助者は利用者の肩甲骨と骨盤を支える。
- 利用者の体重を介助者にかけさせる。介助者は腰を落として重心を下げる。利用者は介助者の肩に手を回す。
- 利用者を車いすに移乗させる。介助者は掛け声とともに利用者を持ち上げて車いすに乗せる。
- 利用者の姿勢を調整する。利用者を深く座らせる。フットサポートやアームサポートを戻す。
移乗の注意点
移乗の際には、以下の注意点を守ってください。
- 車いすとベッドの位置に気をつける。ベッドと車いすの間に隙間がないようにする。
- ハンドブレーキをしっかり固定させる。ブレーキがかかっていないと、車いすが動いてしまう。
- 腕の力だけで移乗介助を行わない。腰や膝を使って力を分散させる。
- 速いスピードで介助を行わない。利用者に不安や恐怖を感じさせないようにする。
- ズボンを掴まない。ズボンが破れたり、利用者に痛みを与えたりする。
まとめ
ベッドから車いすへの移乗は、介護の現場で頻繁に行われる作業ですが、正しい方法を知らないと、利用者や介助者にとって負担や危険が大きくなります。この記事では、移乗の前にすること、移乗の手順、移乗の注意点を解説しました。移乗の際には、利用者の状態や意思を確認し、安全に快適に移乗できるように心がけましょう。