介護離床センサーとは?種類やメリット・デメリットを解説
介護離床センサーとは、病院や介護施設で利用者のベッドからの転落や徘徊を防ぐために設置する見守り機器です。ベッドや床にセンサーを設置し、利用者の動きを検知してナースコールなどと連動して通知します。介護離床センサーにはさまざまな種類があり、利用者の状態や施設の環境に合わせて選ぶことができます。この記事では、介護離床センサーの種類やメリット・デメリットについて解説します。
介護離床センサーの種類
介護離床センサーには、以下のような種類があります。
- ベッドセンサー:ベッドのシーツの下に敷くタイプのセンサーで、利用者の重量を検知します。利用者がベッドから離れると通知が鳴ります。
- ベッドサイドセンサー:ベッドの端に設置するタイプのセンサーで、利用者のお尻の重さを検知します。利用者がベッドから起き上がると通知が鳴ります。
- マットセンサー:ベッド以外の床に敷くタイプのセンサーで、利用者がその上を歩くと通知が鳴ります。ベッドからの転落や徘徊を検知できます。
- タッチセンサー:ベッドの柵や手すりに取り付けるタイプのセンサーで、利用者が触れると通知が鳴ります。ベッドからの転落や徘徊の前兆を検知できます。
- ピローセンサー:枕の中に入れるタイプのセンサーで、利用者の呼吸や心拍を検知します。利用者の健康状態や睡眠の質を把握できます。
- 赤外線センサー:ベッドや部屋の出入り口に設置するタイプのセンサーで、利用者の動きを赤外線で検知します。利用者に直接触れないので感染症のリスクを減らせます。
- クリップセンサー:利用者の服やベルトに取り付けるタイプのセンサーで、利用者が移動すると通知が鳴ります。利用者の位置や行動範囲を把握できます。
- カメラセンサー:ベッドや部屋の壁に設置するタイプのセンサーで、利用者の動きや表情をカメラで検知します。利用者の状況や感情を視覚的に確認できます。
介護離床センサーのメリット
介護離床センサーを導入することで、以下のようなメリットがあります。
- 利用者の安全を確保できる:ベッドからの転落や徘徊による事故を防ぐことができます。利用者の健康状態や睡眠の質も把握できます。
- 介護スタッフの負担を軽減できる:見回りの回数や人員を減らすことができます。利用者の状況をリアルタイムで知ることができます。
- 利用者の人権を尊重できる:利用者の身体を拘束することなく、自由な生活を支援できます。利用者のプライバシーも守ることができます。
介護離床センサーのデメリット
介護離床センサーには、以下のようなデメリットもあります。
- コストがかかる:センサーの購入や設置、メンテナンスに費用がかかります。また、センサーの種類や機能によっては、高価なものもあります。
- 誤作動や故障が起こる:センサーの感度や設置場所によっては、誤って通知が鳴ったり、検知できなかったりすることがあります。また、センサーが故障したり、電池が切れたりすることもあります。
- 利用者の反発や不快感がある:センサーに触れたり、着けたりすることに抵抗がある利用者もいます。また、センサーの音や光が気になったり、不安に感じたりすることもあります。
介護離床センサーの選び方
介護離床センサーを選ぶ際には、以下のようなポイントに注意しましょう。
- 利用者の状態やニーズに合わせる:利用者の転倒リスクや徘徊傾向、健康状態や睡眠状況などを把握し、必要な機能や種類のセンサーを選びます。
- 通知方法や連動機器を確認する:センサーが検知したときに、どのように通知が鳴るか、また、ナースコールやスマホなどと連動できるかを確認します。
- ケーブルの有無や設置場所を考慮する:センサーにケーブルがある場合は、利用者や介護スタッフが引っかかったり、転倒や誤作動の原因になることがあります。ケーブルがないコードレスタイプのものを使用することで、どこでも使えることができ、また利用者がケーブルに足を絡め、転倒するリスクがないことがメリットであるといえます。センサーの設置場所は、利用者の動きを検知できる場所に設置します。設置場所は利用者の状態や行動の特徴に合わせて選びます。
離床センサーの設置方法
離床センサーの設置方法は、センサーの種類や機能によって異なりますが、基本的には以下のような手順で行います。
- センサーの設置場所を決める:ベッドや床、ドアなど、利用者の動きを検知できる場所にセンサーを設置します。設置場所は利用者の状態や行動の特徴に合わせて選びます。
- センサーの感度や通知速度を調整する:センサーによっては、感度や通知速度を変更できるものがあります。利用者の動作速度や介護スタッフの対応時間に合わせて調整します。
- センサーと通知機器を接続する:センサーと通知機器(ナースコールやスマホなど)を有線または無線で接続します。接続方法はセンサーの種類やメーカーによって異なりますので、取扱説明書を参照してください。
- センサーの動作確認をする:センサーの設置や接続が完了したら、センサーの動作確認をします。利用者の動きを模擬して、センサーが正しく検知し、通知機器が正しく作動するかを確認します。
離床センサーの設置方法は簡単ですが、注意点もあります。以下に注意点を挙げます。
- センサーの設置場所は利用者に合わせて変更すること:利用者の状態や行動が変化した場合は、センサーの設置場所も変更する必要があります。例えば、ベッドからの転落リスクが高くなった場合は、ベッドサイドセンサーをベッドセンサーに変更するなど、適切なセンサーを選び直してください。
- センサーの感度や通知速度は適切に調整すること:センサーの感度や通知速度が不適切だと、誤作動や故障の原因になります。また、利用者や介護スタッフにストレスや不快感を与えることもあります。センサーの感度や通知速度は、利用者の動作速度や介護スタッフの対応時間に合わせて適切に調整してください。
- センサーと通知機器の接続は確実に行うこと:センサーと通知機器の接続が不安定だと、センサーが検知しても通知が届かないことがあります。また、無線接続の場合は、電波の状況や電池の残量にも注意する必要があります。センサーと通知機器の接続は、確実に行い、定期的に確認してください。
- センサーの動作確認は定期的に行うこと:センサーの動作確認は、設置や接続の際だけでなく、定期的に行うことが必要です。センサーの故障や誤作動を防ぐためにも、センサーの動作確認は日常的に行ってください。
まとめ
介護離床センサーとは、病院や介護施設で利用者のベッドからの転落や徘徊を防ぐために設置する見守り機器です。介護離床センサーにはさまざまな種類があり、利用者の状態や施設の環境に合わせて選ぶことができます。介護離床センサーを導入することで、利用者の安全を確保し、介護スタッフの負担を軽減し、利用者の人権を尊重することができます。しかし、介護離床センサーにもコストや誤作動や故障、利用者の反発や不快感などのデメリットもあります。介護離床センサーを選ぶ際には、利用者の状態やニーズに合わせることや、通知方法や連動機器を確認すること、ケーブルの有無や設置場所を考慮することなどに注意しましょう。また、介護離床センサーの設置方法も簡単ですが、設置場所や感度や通知速度の調整、センサーと通知機器の接続、センサーの動作確認などにも注意が必要です。介護離床センサーは、利用者の安全と介護スタッフの効率を高めるための有効なツールですが、その使い方や管理には十分に気を付けてください。